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【高校野球】高川学園躍進のワケ 全面人工芝、LED照明、ウエイトルーム...プロ顔負けの設備の全貌 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

2019年から指揮を執る高川学園・松本祐一郎監督 photo by Uchida Katsuharu2019年から指揮を執る高川学園・松本祐一郎監督 photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る

【中国大会でまさかの兄弟対決】

 歴代の先輩たちが一つひとつ丁寧に積み上げてきたことが伝統となり、今夏甲子園の16強、そして国スポ準優勝の好結果へとつながった。今秋の新チームは山口4位ながら、中国大会開催地ということもあり、4枠目での出場が決定。夏春連続甲子園出場の可能性を残している。

「2年生で国スポに連れて行った選手は、秋季山口大会の準々決勝から12日間で6試合を戦いました。言い訳にはできませんが、やっぱりきつかったと思います。ただ、準決勝、3位決定戦の2日間は元気がなかったから、体の中から元気を出してよ、とお米を送ってくださった方がいて、本当にうれしくて......。選手たちと、頑張らないといけんよね、と気持ちを新たにしました」

 来春センバツ出場の重要な参考資料となる中国大会は10月24日に開幕した。高川学園は2日目に広島1位の広陵と1回戦で激突する。なんの運命のいたずらか、松本監督の母校であり、今秋から指揮を執る松本健吾監督は実の弟だ。

「広陵は中国地方では避けては通れない相手。いつかは当たると思っていましたが、やりたくないというのが本音です。弟とも『今年は当たりそうやな』と話していました。ただ、ひとまず私情は二の次で、ウチは勝つために必死でやることに変わりはありません。結果は後からついてくるものなので、今は(センバツ出場の可能性がある)そういう土俵にいることができるということは、すごくうれしいことだと思っています」

 母校の高い壁を乗り越え、中国覇者として神宮大会出場となれば「とんでもない1年になりますね」と笑顔を浮かべる。飛躍の2025年を最高の形で締めくくり、高川学園の歴史に新たな1ページを刻む。

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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