検索

【MLB】メッツ番記者が語る村上宗隆&岡本和真の交渉の行方 大砲アロンソ移籍でもメッツの可能性は低い? それとも......

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

右の大砲としてMLBからも注目の的となる岡本和真 photo by Jiji Press右の大砲としてMLBからも注目の的となる岡本和真 photo by Jiji Press

後編:2025年冬MLB市場 における日本人大物選手の価値

前編〉〉〉評価の分かれるメジャー市場での村上宗隆

 ニューヨーク・メッツの看板打者であり続けてきたピート・アロンソ一塁手がMLBウィンターミーティング最終日の12月11日、ボルチモア・オリオールズと5年1億5500万ドル(約232億5000万円)で契約した。昨季38本塁打を放ったスラッガーが流出するインパクトは大きい。打線の核が抜けたことで、メッツは穴埋めの内野手を探すことになる。

 昨季はナ・リーグ優勝決定シリーズまで勝ち進みながら、今季のメッツはプレーオフ進出を逃して批判された。もともと村上宗隆、岡本和真の獲得候補と見られていた大都市チームは、ここで日本人野手争奪戦に本腰を入れるのか。特に序列的には村上こそが"次に倒れるドミノ=大型契約を結ぶ選手"と見られていることもあり、その動きからは目が離せそうにない。

 メッツの意向に探りを入れるため、『The Athletic』のウィル・サモン記者に意見を求めた。メッツ番の記者であり、球界全体のインサイダー情報にも定評があるサモン記者の言葉を聞く限り、村上、岡本の獲得は必ずしもプライオリティ(優先事項)ではなさそう。それでも今後、マーケットが大きく変わる可能性はありそうだ。

【大砲アロンソ移籍に見るメッツのチーム事情】

 アロンソがメッツに残らなかったことについては驚いていない。というのもメッツはオフ開始当初から守備面を改善したいことを明確にしていた。昨オフを振り返っても、2月までかかってやっと2年という短期契約(2年目はオプション)を結んだことを考えれば、メッツ首脳陣がアロンソをどう見ていたかは概ねわかる。現実的なところを言えば、もし昨年、ほかのチームが"アロンソを本当に欲しい"と言って長期契約を提示していたら、2025年の彼はそのチームでプレーしていただろうと推測できる。

 そのチームが今年現われた。それがオリオールズで、しかもかなりの高額オファーを提示した。だから、彼はそこに決めたということだ。

 最終的にアロンソが手にした総額1億5500万ドルという金額には少し驚かされた。というのも、先ほども言ったとおり、1年前のオフには年数、金額ともに彼が望んでいたようなものが市場にはなかったからだ。それは、昨年はクオリファイングオファーが付いていたことや、アロンソ自身の基準からするとやや不調なシーズン(2024年は打率.240、34本塁打、88打点)を終えた直後だったことも理由として考えられる。

 今回は状況が違った。打率.272、38本塁打、126打点という好成績を残した2025年は彼にとってもっとよいオフェンシブなシーズンだったわけで、その点が高評価につながった。だから、アロンソに合う、彼を本当に必要としているチームを見つけられたのは彼の功績であり、幸運でもあった。

 メッツ側からみれば、アロンソとの長期契約を希望したくなかった理由のひとつは、一塁守備の拙さだと思うが、それだけではなく、"現在の主力メンバーで十分勝てていないのではないか"という見方もあったのだと考えている。

 今季のメッツは優勝候補に挙げられながら、後半戦に崩壊してプレーオフ進出すら果たせなかった。その直後の今オフ、ブランドン・ニモ外野手をすでにテキサス・レンジャーズに放出。FAになったクローザーのエドウィン・ディアスはロサンゼルス・ドジャースと合意したという報道がなされた。

"チーム解体"とまで言ったら大袈裟だが、しばらく同じ主力の顔ぶれで勝ちきれていないことが、一部の選手を強く引き留めるべきかどうか、という判断への後押しにはならなかったんじゃないだろうか。少し壊してみる、少し変えてみる――そういう方向性に理由があるのかもしれない。

1 / 2

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

キーワード

このページのトップに戻る