【MLB】メッツ番記者が語る村上宗隆&岡本和真の交渉の行方 大砲アロンソ移籍でもメッツの可能性は低い? それとも...... (2ページ目)
【"絶対にない"わけではないが......】
メッツからの視点で岡本と村上ついて語ってもらったサモン記者 photo by Sugiura Daisuke
ここからメッツは新たなチームづくりに動くわけだが、私は村上、岡本という日本人選手たちが"最適なフィット"とは思っていない。排除はしないが、"彼らこそ狙うべきターゲットだ"とは現時点で感じていないのが正直なところだ。そう思う理由は、特に村上の守備力で、メッツが今優先して求めているレベルにはないからだ。メッツは守備のよさや身体能力を求めている。
デビッド・スターンズ編成本部長が、村上と5年とかそういった長さの長期契約を目論むとは私は思わない。そうなったら驚くだろう。完全に可能性ゼロとは言わないが、"村上が我々のターゲットだ"と位置づけているとは思えない。そういう雰囲気があれば、すでに聞こえてきているはずだからだ。
メッツは、過去のオフでは狙う相手を早い段階で明確にしていた。2年前の山本由伸しかり、去年のファン・ソトしかり。"彼らを狙う"という話は、業界全体が知っていた。強くそう感じているという情報があった。だが今オフの村上に関しては、そういう話がまだない。だから、私はそこにも疑問を感じている。
岡本についても、メッツとの関係では話は聞いていない。ほかのチームが興味を持つ可能性は耳にしたことがあるが、メッツに関してはまだ聞いていない。
とはいえ、繰り返すが、"絶対にない"と言いたいわけではない。もちろん守備も大事だが、オフェンスも必要になる。アロンソを失ったのであれば、現時点でのメッツ打線で主軸と呼べるのは、ソトとフランシスコ・リンドーアだけになる。
やるべきことは山ほどある。カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズと新契約締結)、アロンソの契約が決まったことで、今週あたりから村上、岡本の名前がもっと出てくるかもしれない。それは十分あり得る展開だ。
いずれにしても、ディアス、アロンソも失ったメッツが、「よし、明日すぐに誰かをFA、トレードで取ろう」という考え方をするとは思わない。そうはならないはずだ。もっと慎重なアプローチを取ると思う。「どんな選手を拾えるか」、マーケットを見ながらね。
もしかしたら予想より条件が低くなった選手にうまく入り込めるかもしれない。昨年、ニューヨーク・ヤンキースが大ベテランのポール・ゴールドシュミットと1年契約を結んだような方向性もあり得る。本当にさまざまな展開が考えられるだけに、私も慎重にマーケットを眺めていきたいと思う。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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