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【夏の甲子園2025】青藍泰斗を35年ぶりの聖地へと導いた「4番でエース」「在任2年の主将」「27歳の青年監督」 (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

 永井に「エースで4番」を任せた青山尚緯監督はこう言う。

「エースで4番は野球の醍醐味というか、野球をしている人みんなが目指しているところなのかなと思います。そこにロマンがある。ピッチャーであっても走塁に参加しますし、攻撃では要になります。攻撃、守りの難しさを感じられるところが、エースで4番のよさだと思います。永井はピッチャーとしてもバッターとしても、チームのなかで一番いい選手。本当に頑張った子ですし、エースで4番を任せるだけの能力を備えています」

【1年秋からキャプテンに任命】

 永井の奮闘もあったが、青藍泰斗の甲子園初勝利はならなかった。それでも、青地に白のストライプという斬新なユニフォームに身を包んだ青藍泰斗の選手たちは、守備でも攻撃でも溌溂としたプレーを披露。その中心にいたのが、1年生の秋からキャプテンを務める佐川秀真だった。

 上下関係が色濃く残る高校野球で、下級生がキャプテンをつとめるのは異例なことだ。その理由について、青山監督は言う。

「1年秋から佐川にキャプテンを任せたのは、人間性がいいから。高校に入る前から、いずれはキャプテンをしてほしいと考えていました。タイミング的には早かったんですけど、1年生の秋にキャプテンに任命しました。

 それまでもレギュラーで出ていて、実力もありました。プレーでチームを引っ張るタイプだったんですけど、3年生になってから嫌なことでも率先して言えるようになりました。本当に、気配りも目配りもすばらしい人間になったと思います」

 永井も佐川についてこう言う。

「上級生がいる時から、プレーでみんなを引っ張っていました。相手が誰でも厳しい指摘ができる、いいキャプテンです。先輩も佐川のことを認めていました」

 佐川には相当な苦労があったと思われるが、本人はそれを否定する。

「先輩がいても、チームのために強く言わなきゃいけない時はありました。もともと、年齢に関係なく、厳しいことを言える性格です。先輩から、何かを言われることはありませんでした。自分が一番練習している、チームのためにやっているという自信がありました。だから、みんなに強く言えました」

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