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佐々木麟太郎よりも本塁打を放った謎の日本人留学生 高校時代の同級生は今秋ドラフトの目玉候補 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 兄・寛太さんが、高川学園を経て國學院大でプレーしたこともあり、井上も当初は東都大学リーグの強豪でプレーする希望を持っていた。だが、公式戦での実績がない井上には、現実的な選択肢ではなかった。

 すると、親が冗談めかしてこんな提案をしてくれた。

「アメリカに行ってみんか?」

 アメリカの大学を経由して、プロへと挑戦する。自分の技量に自信があった井上は、「悪くない」と感じた。留学支援をする会社をとおして留学先を探し、まずは西ネブラスカ短大へと進学することを決めた。

 2022年8月、アメリカの入学シーズンに合わせて、井上はアメリカへと飛んだ。「自由の国」で、井上は野球人生を大きく変えることになる。

つづく>>


井上心太郎(いのうえ・しんたろう)/2003年6月18日生まれ。山口県山口市出身。高川学園シニア、高川学園高でプレーし、高校3年夏には控え内野手として甲子園出場。同期に立石正広(創価大4年)がいた。高校卒業後に渡米し、西ネブラスカ短大に2年在学後、カンザス州立大3年に編入。今季はNCAA1部で打率.279、9本塁打、31打点をマークした。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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