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指名漏れから2年...中央大出身の石井巧&髙橋隆慶が社会人で成長し、ドラフト戦線に急浮上 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 侍ジャパンの井端弘和監督はNTT東日本で臨時コーチを務めたこともあり、チームと縁が深かった。「歩くように捕って、投げる。滑らかなプレーをしよう」という井端監督の言葉を、石井は吸収していく。梶岡千晃ヘッドコーチ、上田祐介コーチもつきっきりで守備の指導をしてくれた。なお、梶岡ヘッドコーチは中央大の先輩でもある。

【周りの人を引き寄せる人間力】

 今季からNTT東日本の監督に就任した北道貢監督は、社会人球界で17年間プレーした名選手だった。昨年はヘッドコーチだった北道監督に石井の魅力を聞いてみると、「言葉にするのが難しいんですけど」と前置きしたうえで、こう語った。

「一番はプレーに愛があるということですよね。一つひとつのプレーを大事にしたうえで、人間味があるというか。だからだと思うんですけど、プレー以外でも彼の周りには人が集まってくる。そういうところはすごく大きな魅力ですね」

 打撃面も大きな進化を見せている。昨年は2番、今季は3番を任され、結果を残してきた。石井は手応えを深めている。

「喜納(淳弥)コーチとゼロから話し合って、バッティングフォームをつくって、力を引き出してもらってきました。大学とは違う感覚、タイミング、形が少しずつできてきたと感じます」

 大学時代は体が開き、バットが早めに背中側へ回ってしまうスイング軌道だった。だが、NTT東日本入社後は「バットの面を最後までボールに向けるイメージ」に修正。さらに、守備の成長が打撃面にも好影響を与えたと石井は明かす。

「守備のドリルで軸足(右足)を残してボールを捕るんですけど、このドリルをやったことでバッティングもつかめたところがありました。自分は右投右打なので、バッティングも守備も『軸足』だなと。深いところでつながっていることがわかりました」

 中央大を卒業して2年目の今季は、ドラフト指名解禁の勝負の年でもある。プロ入りの意思を尋ねると、石井は「もちろんあります」と答え、こんな覚悟を語った。

「プロの世界で見たらずば抜けた能力がないと思うので、自分に何ができるのか考えないといけないですね。でも、自分の技術は完成されていませんし、体だってまだまだ鍛え込めます。やることはたくさんあるので、少しでも成長していきたいです」

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