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すでに11球団が視察! 花園大出身初のプロ野球選手誕生へ高まる期待 藤原聡大はいかにしてドラフト候補となったのか (2ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi

 特に4月は、病み上がりの影響もあり、ボールを操ることに必死だった。4月12日に行なわれた明治国際医療大とのリーグ戦初戦、7回2/3を投げ15奪三振を記録したものの、3失点で敗戦投手となった。だがその後、佛教大戦では7回1失点の好投で今季初勝利。5月4日の滋賀大戦では5安打完封、13奪三振と徐々に調子を上げていった。

「1節終えるごとに、次の試合に向けてどう成長できるかを考えながら、毎日の過ごし方を大切にしてきました。その積み重ねが結果に結びついていると思います」

【花園大初のプロ野球選手を目指す】

 5月14日、リーグ戦第6節のびわこ成蹊スポーツ大との第1戦に先発した藤原は、初回に二塁打を許しながらも後続を断ち、2回には最速151キロをマークするなど、5回まで4安打無失点の好投を続けていた。しかし6回、四死球を4つ与えて2失点し、この回限りでマウンドを降りた。

この試合、藤原の投球数は5回終了時点で100球近くに達していたが、アクシデントが起きていたという。

「3回が終わる頃から、右手の人差し指に血豆ができてしまって......」

それでも6回までに9三振を奪うなど、バックネット裏に陣取った11球団のスカウトたちに上々のピッチングを披露。「6回はかなりきつかったですが、前半は要所を締めることができて、自分らしいピッチングができたと思います」と、藤原は納得の表情を見せた。

 奥本監督も「本当はもう少し早く交代させようかと思いましたが、なんとか6回まで踏ん張ってくれました」と、完全な状態ではないなかでの力投を称えた。

 呼吸を使って腹部をしっかり膨らませた状態で投げることを意識し、腸腰筋など腹部周辺の筋肉の使い方を改善したことも、復調の要因だという。体のメカニズムを理解し、それを日常の動作に落とし込むことで、万全でないなかでも少しずつ成果を上げられるようになった。

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