【大学野球】明治大が立教との激闘を制し勝ち点奪取 3季連続優勝を狙う早稲田との頂上決戦に挑む (2ページ目)
2勝したチームに勝ち点が与えられるリーグ戦は、勢いだけで戦い抜くことはできない。かつてはエースが3試合すべてに登板することもあったが、そんなケースは珍しい。
分業制が進んだ現在では、試合を優位に進めることができる先発投手がふたり、終盤を抑えられるリリーフ陣が複数必要だ。継投が増えたことで、代打起用などの選手交代も重要なポイントになる。
明治大は強打の正捕手、小島大河(4年)が故障のためベンチから外れたが、代わりに出場した福原聖矢(3年)が投手陣を巧みにリードし、好守備も見せた。2回戦に先発した高須大雅(4年)が6回からリリーフして大川につなぎ、総力戦で勝ち点を積み上げた。
【優勝をかけた大一番】
第1戦に続いて勝利を決める一打を放った内海が言う。
「勝負強さには自信があります。チャンスの場面では一段と集中力も上がるし、気持ちも高ぶるので。理想は打率が高くて、勝負強いバッター。今が打率を残せていないんですけど(打率.216)、ここ一番では打ちたい」
立教戦の前まで打率1割台と苦しんでいた内海のタイムリーヒットは、「勝負強さ」を証明するものだった。どれだけ調子が悪くても、主力選手が勝負どころで仕事をするチームは強い。
リリーフとして試合を締めた大川が語った勝因は「気持ち」だった。
「同期の4年生のピッチャーたちがつなげてくれたので、絶対に勝ちきろうという思いで投げました。もし延長15回まで行っても自分で投げきろうと。『絶対に気持ちで負けない』と思いながら、マウンドに立ちました」
昨秋の慶應大戦の苦い思いが大川を成長させた。
「去年の秋、慶應との1回戦で9回ツーアウトから打たれたことがずっと頭にあります(清原正吾に本塁打を打たれて引き分け)。あとひとつのアウトを取ることが、自分のなかでポイントだったので」
彼らの言葉を聞くと、試合を決めたのは技術や能力だけではなく、気持ちと勝負強さだったということになる。明治大野球部の礎を築いた名監督・島岡吉郎の言葉を借りれば、「人間力」の勝利と言えるかもしれない。
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