ドラフト戦線の隠れた実力者が青学大にいる! 即戦力になれる逸材の天才スラッガー・小田康一郎 (4ページ目)
しかし、シートノックや試合を通しても、小田の守備力が低いとはどうしても思えなかった。そこで、安藤監督に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「僕はどうしてもファースト守備へのこだわりがあって、勝つために小田を使っています。実際に彼の守備で勝った試合が何回もあるんです。セカンド、サードも十分にできますし、外野だって守れます。本来はショート以外ならどこでも守れる選手なんです」
ハンドリングの柔らかい小田が一塁を守っていると、内野陣は安心して送球できる。安藤監督の言うとおり、小田はリーグ戦の試合途中から二塁を守るシーンもあり、オープン戦では二塁や三塁で起用される試合もある。
小田は守備について、こんな本音を明かしている。
「監督さんとの面談では、毎回『ジコチュー(自己中心的)なんですけど、ファースト以外を守りたいです』と伝えています。でも、監督さんからは『守備ができる選手をファーストに置きたい』と言われて。内野のみんなからも、プレー前に『(送球が逸れた際の)カバー頼むよ!』と言ってもらえるので、信頼してもらえているのかなと」
身のこなしが柔らかく、送球もさまざまな角度から器用に投げ分けられる。高校時は投手経験もあり、「投げることはまったくイヤじゃないです」と語る。
【「隠れ俊足」という武器】
そして、もうひとつ。身長173センチ、体重85キロとずんぐりとした体格の小田だが、「隠れ俊足」という武器がある。昨秋リーグ戦では故障離脱するまでの9試合で、5盗塁をマークした。
それまではリーグ通算0盗塁だったため、「盗塁のコツをつかんだのですか?」と尋ねると、小田はこともなげに「今までも走ろうと思えば走れたんです」と答えた。
「今まではうしろの打順に長打のある選手がいたので、『邪魔しないでおこう』と走らずにいたんです。でも、昨秋は西川さんがケガで抜けたこともあって、いかに得点圏まで進んで、ワンヒットで1点を取れるかが大事になっていました。それで積極的に走るようになったんです」
今春はここまで1盗塁だが、それも開幕当初に小田のあとを任された青山達史(2年)を慮ってのことだった。
4 / 5