【大学野球】スポーツ推薦も専用グラウンドも寮もなし 西南学院大野球部が唯一無二の組織づくりでチームを強化する理由 (3ページ目)
2013年から西南学院大野球部の指揮を執る東和樹監督 photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る 時には電話や飛び込みで協賛を依頼することもある。活動報告会に参加したあるスポンサー企業の代表取締役は、同リーグのライバル大学野球部OBながら、その熱意に打たれ、当時の代表と相談して協賛を決めたという。社会人顔負けの営業スキルは、就職活動においても優位に働いている。遠山さんが続ける。
「今年のクリエイティブチームは『価値共創』をスローガンに掲げています。私たちにしかできない価値を、私たちだけではなく、他部活や他大学、そして企業様と一緒に創り上げていき、もっともっと福岡の野球文化を盛り上げていきたいと思っています」
【日本一誇れるチームをつくりたい】
大学スポーツ界に新風を吹き込む試みは、これだけでは終わらない。昨年から選手が正しい努力ができるよう、新たに「アセスメント(評価係)」を設置した。評価制度を作成する人事部のようなポジションで、スキル、フィジカル、身体操作、体力の項目を設け、年3回測定を実施。数値化することで現状を把握し、周囲と比較することで何が足りないのか、どこを伸ばせばいいのかを明確にすることができる。
今は、昨秋まで選手として活躍した河合優弥さん(4年)がひとりで活動。手探りで仕組みを構築している。
「ケガをしてしまい、これからどうしたらチームに貢献できるかを監督さんに相談した際、チーム全員が不平不満なく、納得できる組織をつくっていきたいという言葉に共感して、将来にも生かせると思ったので、アセスメントになりました。
最初は一学年上の先輩が形をつくり、選手の評価制度はでき上がったのですが、それ以外の部員はまだ確立されていません。今、いろいろな部員とコミュニケーションを取り合いながら、作成している最中です。クリエイティブチームやマネジャーは、どうしても選手よりモチベーションが下がる時期が多いのかなと思うので、そういうところをカバーできるような評価をしていきたいです」
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