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【選抜高校野球】スカウトが注目の好投手たちをリアル評価 「大会ナンバーワン投手は?」 (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 同じ左腕では、早稲田実の中村心大も高い能力を評価された。

「球質はいいものがあるよね。フォームがゆっくりで、ボールが来ているところもいい。打者として対戦するのが嫌なタイプですね。ただ、抜けるボールが多い。これが収まってくると杉内俊哉(元巨人ほか)みたいになるんじゃないか」(セ・リーグスカウトB氏)

「能力はあるよね。ただ、突っ込んで投げる難しいフォームだから、タイミングが合わないといい球がいかない。再現性を高めるのが一番の課題でしょう」(セ・リーグスカウトD氏)

【完成度の高さ示した明徳義塾のエース】

 結果は残せなかったが、滋賀学園の長崎蓮汰は186センチ、82キロの大型右腕として素材を評価された。

「練習試合も見たけど、甲子園より練習試合のほうがよかったね。投げるセンスはあるし、指先の感覚はある。あとは出力が出るかどうか。現時点では大きいだけという感じ。育成でなら獲る球団はあるかもしれないね」(パ・リーグスカウトA氏)

「テークバックが小さく、フォロースルーも小さい。スピードが出ないフォームです。もっと腕をちゃんと振れれば、出力が出る。体もあるし、もったいないなと思いますね。ただ、よくなる要素はあります」(セ・リーグスカウトD氏)

 どうしてもわかりやすいスピードに目がいきがちだが、それ以外で評価を上げたのが明徳義塾の池﨑安侍朗。タイブレークで敗れたものの、強打の健大高崎を9回1失点に抑えた。

「完成度が高いピッチャーですよね。まず、両サイドのコースを間違えないところがいい。チェンジアップが決め球ですが、健大高崎戦の一巡目は真っすぐで押して差し込んでいた。二巡目からチェンジアップを使い、健大高崎打線がきりきり舞いだった。数少ないスピードで勝負しない、いいピッチャーです」(セ・リーグスカウトB氏)

 このほかに名前が挙がった投手は、甲子園でも151キロをマークした宮口龍斗(智辯和歌山)、183センチ、91キロと堂々たる体躯の行梅直哉(高松商)、石垣をカバーしてチームを勝利に導いた下重賢慎(健大高崎)、矢吹太寛(東海大札幌)らがいるが、全員に共通しているのが、中村と同じく再現性の低さ。

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