【選抜高校野球】スカウトが注目の好投手たちをリアル評価 「大会ナンバーワン投手は?」 (2ページ目)
もうひとりの目玉だった東洋大姫路の阪下は、初戦直前にヒジ痛を発症。初戦は志願して先発したが、1イニング23球で降板。次戦も投げられずに終わった。
「秋は好印象だった。コントロールがよくて、ラインを出せる。出力を抑えて、きちっと投げることができるし、完成度が高いという印象。将来は元中日の吉見一起のような感じになるかな、と思ったんだけど。今回はかわいそうだったね」(パ・リーグスカウトC氏)
「見たことがなかったから楽しみにしていたけど、残念だったね。左足が少しクロスに入るので肩やヒジに負担がかかるんだろうね。万全なら腕が振れるし、コントロールもいい。いいピッチャーだと思うよ」(セ・リーグスカウトD氏)
昨夏に続き、2季連続甲子園出場を果たした早稲田実・中村心大 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る
【評価を上げたふたりの左腕】
今大会では横浜・織田翔希、山梨学院・菰田陽生が150キロをマーク。市和歌山の丹羽涼介、沖縄尚学の末吉良丞ら好投手は多かったが、彼らは全員2年生。スカウト陣からも出るのは彼らの名前ばかりで、3年生の名前はなかなか挙がらなかった。
そんななか意地を見せたのが、横浜のエースナンバーを背負う左腕の奥村頼人。準々決勝では三者連続3球三振の離れ業を演じた。
「将来的に技巧派としてものになるんじゃないか。同じチームに織田がいることでスピード競争をやめたらしい。それがプラスに出ているよね。バッティングもいいので(打者としても4番)、打者心理がわかっている。打者との駆け引きができている感じがするよね。ただ、プロで活躍するには、出力を上げることが必要。球速のアベレージが上がってこないと厳しい。それができれば高橋尚成(元巨人ほか)とか辛島航(楽天)みたいになれる感じはするね」(パ・リーグスカウトA氏)
「今年の高校生の左ではトップ3に入るでしょう。変化球を器用に投げられるのがいい。スライダーがあるし、チェンジアップもいい。右打者の外の真っすぐの精度も高かった。スピードも145まで出ていたし、十分に候補でしょう」(パ・リーグスカウトC氏)
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