【選抜高校野球】識者5人が優勝校を予想! 大本命・横浜の死角は? 健大高崎の連覇は? ダークホースは? (5ページ目)
菊地高弘氏(ライター)
優勝予想:東洋大姫路
昨秋の明治神宮大会準決勝、横浜対東洋大姫路の試合が始まる前に「負けたほうをセンバツ優勝予想チームにしよう」と決めていた。
昨秋の段階で、この2チームの総合力が頭ひとつ抜けていた。両者が実力伯仲しているとなれば、「秋の悔しさを晴らそう」と冬場に取り組めるチームが強いはず。また、センバツで再戦した際にはリベンジに燃えるチームと、返り討ちにせんと構えるチームとでは前者のほうが勢いはあるはず。そう考え、秋の敗者である東洋大姫路を優勝予想チームに選ばせてもらった。
ちなみに、昨秋の明治神宮大会は延長11回タイブレークの死闘の末、東洋大姫路は1対3で惜敗している。
東洋大姫路の強さはエース右腕・阪下漣の完成度の高い投球もさることながら、岡田龍生監督に鍛え上げられた守備の堅さにある。春のセンバツは対外試合が解禁された直後に開幕するため、どのチームも「ぶっつけ本番」に近い。低反発バットの導入で大量得点が期待できないなか、ひとつの守備のミスが勝敗を分けることになる。その意味で東洋大姫路は「負けにくいチーム」といえる。
キーマンは左投手の末永晄大。決勝戦までになるべく長いイニングを投げ、阪下の負担を減らせるかにかかっている。潜在能力は高いだけに、大舞台で覚醒できるか。
準優勝予想とした横浜は新2年生の怪物候補・織田翔希は必見ながら、本気で優勝を狙うには新3年生左腕の奥村頼人がカギを握る。
昨秋の東洋大姫路戦でも、タイブレークで奥村が実力を発揮したことが勝利につながった。打撃面も鋭いスイングで外野の間を抜くだけに、投打とも勝負の際(きわ)で存在感を見せたい。初戦で市和歌山、勝ち上がると青森山田対沖縄尚学の勝者という難敵が待ち構えるが、連勝して弾みをつけたいところ。
非常に気になるのは、1回戦屈指の好カードである健大高崎と明徳義塾の勝者だ。健大高崎はドラフト候補右腕の石垣元気が注目を浴びるが、昨秋の段階で実戦派左腕の下重賢慎のほうが安定感は上だった。試合巧者の明徳義塾としては、石垣のほうが攻略しやすいのではないか。石垣のひと冬越えての成長ぶり、健大高崎・青柳博文監督の采配に注目したい。
最後にダークホースとして挙げたいのが、高松商。好投手を複数揃え、昨秋の段階で明徳義塾の馬淵史郎監督が全国トップクラスの陣容を絶賛していた。早稲田実との1回戦に勝利できれば、勢いに乗りそうだ。
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