【選抜高校野球】識者5人が優勝校を予想! 大本命・横浜の死角は? 健大高崎の連覇は? ダークホースは? (4ページ目)
田尻賢誉氏(ライター)
優勝予想:健大高崎
選手個々の能力、秋の大会の実績から見て横浜と東洋大姫路が東西の優勝候補なのは間違いない。ともに、最大の武器は投手力。
横浜は球速、制球力ともにあり抜群の安定感を誇る織田翔希、ピンチに強い左腕の奥村頼人のダブルエース。スタミナ面に不安のある織田を奥村がどれだけカバーできるか。
東洋大姫路も秋の神宮大会で横浜から10三振(延長11回)を奪った阪下漣、変化球がよく制球力もある左腕の末永晄大の二枚看板が強力で失点を計算して戦える。
2校とも死角があるとすれば打力だ。ラインナップには他校がうらやむ打者が並ぶが、秋は素材から期待されるほどの打撃は見せられなかった。横浜は投手力のある青森山田と対戦が予想される2回戦がカギ。青森山田は3人の好投手を揃え、相手が慣れる前に継投するのがパターン。野手も昨夏の甲子園4強のレギュラー4人が残っており、大舞台での経験値は横浜の選手たちよりも高い。
この2校に引けを取らないほど戦力が充実しているのが健大高崎。最速158キロ右腕・石垣元気、左腕の下重賢慎の道産子二枚看板が強力。打線は横浜、東洋大姫路以上で、昨秋は9試合で6本塁打をマーク。チーム打率は出場校中1位の.390。関東大会決勝で横浜に敗れるまで4点差、6点差が1試合ずつで、残りの6試合はコールド勝ちと圧倒的な強さだった。
慣れない接戦になった場合に勝ち切れるかどうか。硬くなる初戦で好左腕・池﨑安侍朗を擁する明徳義塾と対戦。ここを無難に勝ち上がれば、波に乗れるだろう。
東洋大姫路に待ったをかけるとすれば高松商。四国大会で優勝した明徳義塾・馬淵史郎監督が「四国で一番強いのは高松商」と言っていたとおり、投打ともに戦力が充実している。末包旬希、行梅直哉を中心にした投手陣は「先発してゲームをつくれるピッチャーが複数出てきた」と長尾健司監督も手応え。
攻撃はチーム打率.367さることながら、OPS、BB/Kがともに32校中4位と選球眼、パワーも兼ね備える。組み合わせにも恵まれた感があり、チャンスだ。
昨春ほど低反発バットの影響がないと思われることから、戦力が充実する健大高崎、横浜、東洋大姫路、高松商がベスト4と予想する。そして決勝進出は健大高崎と高松商で、経験に勝る健大高崎が連覇を達成。
最後にひとこと。一ファンとしては、やはり昨夏のようなジャイアントキリングが見たい!
4 / 5