2024年の夏の甲子園を制するのはこのチーム! 高校野球を知り尽くす記者5人が優勝校を予想 (4ページ目)
京都国際のエース・中崎琉生 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る田尻賢誉氏(ライター)
優勝予想:京都国際
本命といえる飛び抜けたチームがなく、どこが優勝してもおかしくないと言える。そのなかで、上位進出候補として挙げたいのは以下の4校だ。
京都国際は初戦敗退だったセンバツから大きく飛躍した。エース・中崎琉生はひと冬越えて球威が増したことで本来のスタイルを見失い、センバツでは制球を乱したが、今夏の京都大会では29回を投げて4四死球と持ち味を取り戻した。2年生左腕の西村一毅が、龍谷大平安を8回2安打1失点に抑えるなど1試合を任せられるまで成長したのも大きい。攻守の要・藤本陽毅を中心にした打線も京都大会は準々決勝以降の3試合すべて2ケタ得点とスケールアップ。もともと守備のいいチームだけに安定した戦いが期待できる。
センバツ16強、春の九州大会準優勝の神村学園は、鹿児島大会で3回戦以降は無失点、すべて8点差以上と圧勝。力の差を見せつけた。U18日本代表でも主軸として期待される正林輝大を中心にした打線は強力。冬にひじを痛めてセンバツは本調子ではなかったエース左腕・今村拓未が決勝で自己最速の144キロを記録するなど好投。準々決勝に続き連続完封して自信を深めた。チームは昨夏の甲子園ベスト4のレギュラー4人が残り経験豊富。早瀬朔、上川床勇希らほかの投手陣が今村をサポートできれば再びの快進撃が現実味を帯びる。
ドラフト上位候補の主砲・石塚裕惺、最速148キロのエース・上原堆我と投打の中心が目立つ花咲徳栄もポテンシャルの高さは全国屈指。ただ、埼玉大会では準々決勝、決勝でビッグイニングをつくられ、楽勝ムードから一転、大接戦となった。乗っているときは圧倒的な強さを発揮するだけに、上位進出には精神面がカギを握る。
2年連続センバツ準優勝の報徳学園はドラフト上位候補の今朝丸裕貴を中心とした強力投手陣が自慢。センバツではエースで主将も務めた間木歩が、大会前のケガで調整不足ながら決勝進出。夏は間木の復調に加え、左腕の伊藤功真も成長し、よりパワーアップした投手陣で勝負をかける。「こう見えてけっこうな負けず嫌いなんです」と言う大角健二監督の攻めの采配にも注目したい。
この4校のなかから優勝校を予想すると、春の近畿大会を制するなど実力をつけてきた京都国際。低反発バットの導入により、これまで以上に高い守備力が求められるようになった。そういう意味でも、京都国際の戦いは注目したい。
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