2024年の夏の甲子園を制するのはこのチーム! 高校野球を知り尽くす記者5人が優勝校を予想 (3ページ目)

西東京大会で2本塁打を放った早稲田実業・宇野真仁朗 photo by Sankei Visual西東京大会で2本塁打を放った早稲田実業・宇野真仁朗 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る元永知宏氏(ライター)

優勝予想:早稲田実業

 甲子園を目指す各地方大会の試合を動画で見られるようになった今でも、優勝予想は簡単ではない。地方ごとにレベルは違うし、甲子園に来てから大きく化けるチームが出てくるからだ。

 たとえば、吉田輝星(オリックス)を中心に一戦ごとに強さを増した2018年の金足農、大応援団の声援を受けて日本一に登りつめた昨年の慶應義塾がそうだ。逆にいえば、「プラスアルファ」がない限り、夏の甲子園で頂点に立つことはできない。

 各地方大会の成績、勝ち上がり方、戦力などを見た時、史上8校目の春夏連覇を狙う健大高崎、2年連続センバツ準優勝の報徳学園、昨夏ベスト4の神村学園のほか、大阪桐蔭、智辯学園など甲子園で実績のある強豪が優勝候補として挙がる。また3季連続で日本一になっている関東勢(2023年春の山梨学院、2023年夏の慶應義塾、2024年春の健大高崎)の存在も見逃せない。

 実力以上の「プラスアルファ」にフォーカスした時に浮かんでくるのが早稲田実業だ。西東京大会6試合で31失点した投手陣に不安は残るものの、通算60本を超える本塁打を放っている宇野真仁朗を中心とした打線は力強い。國學院久我山を14対13で下した準々決勝、3連覇を狙う日大三を10対9で突き放した決勝戦でとんでもない勝負強さを見せつけた。甲子園100周年の節目となるこの大会で、早実の伝統のユニフォームは大観衆を味方に付けることになるだろう。

 もう一校、注目したいのが4シーズン連続で甲子園に乗り込んできた広陵。そのすべてでバッテリーを組んできたエース・高尾響と4番・只石貫太にとって最後の大舞台となる。広島商業と戦った広島大会の決勝、8回二死満塁のピンチで高尾はサウスポーの山口大樹にマウンドを譲り、ピンチを脱した。課題だった控え投手の台頭を証明した形だが、同時に、1年春からエースナンバーを背負う高尾の心に火がついたはずだ。「誰よりも負けず嫌い」(中井哲之監督)のエースは、最後の夏にこれまで以上の力を発揮するだろう。

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