「あの大谷翔平より多くホームランを...」佐々木麟太郎にアメリカ28大学からオファー殺到「すごい接待でした」進学のキーマンが明かす (4ページ目)

  • 富永 遥●取材・文 text by Tominaga Haruka

【将来性のあるスタンフォード大を選択】

 次に訪問したUCLAは、ロサンゼルスにキャンパスがある。大谷翔平が花巻東で野球していた時に麟太郎がバットボーイをしていたこともあり、大谷の存在もあって地理的にも気候的にも一番有利だった。ただ、監督がピッチャー出身だったことが気になる点だったようだ。

 スタンフォード大学は、「東のハーバード、西のスタンフォード」と称される世界屈指の名門大学。学業面では言うまでもない。

 野球では今年は選手の入れ替えで苦労しているそうだが、現在は1年生が多いため、来年以降、力が増すと期待される。また、過去5年間でカレッジ・ワールドシリーズと呼ばれる全米選手権に3度出場していて、野球に多大な力を入れている点を評価した。

 UCバークレーはパワーヒッターを育てるのがうまく、最後まで麟太郎本人が推していたという。

「麟太郎君とご家族にとって、大学のよし悪しを判断することが一番難しい点であることから、候補大学を絞るところまでアドバイスをしました」(友永氏)

 その後、本人が監督やコーチと直接会って、フィーリングを確認することが大事になっていったという。この4大学どこに決めても間違いはない。最終的に家族会議でスタンフォード大行きを決めたのだ。

後編<佐々木麟太郎にスタンフォード大が超本気...学費全額免除に入学前チーム合流の特別待遇「チームメイトからも一目置かれる存在」>を読む

【プロフィール】
友永順平 ともなが・じゅんぺい 
1967年、福岡県生まれ。早稲田大野球部では、同期に千葉ロッテマリーンズやニューヨーク・メッツで活躍した小宮山悟氏(現・早稲田大野球部監督)らがいる。早稲田大卒業後、USC(南カリフォルニア大)へ留学。その後、1998年から日米大学野球に携わり、全日本大学野球連盟とアメリカ連盟の間に入り大会の運営を担う。アメリカ開催の場合は日本チームにつき、日本開催の場合はアメリカチームにつき通訳を兼ねながら日米の多くのトップ選手のよき相談相手になっている。ロサンゼルス在住。

著者プロフィール

  • 富永 遥

    富永 遥 (とみなが・はるか)

    1988年、北海道苫小牧市生まれ。旧姓は髙嶌。アイスホッケー元日本代表として、世界選手権やオリンピック最終予選に出場。早稲田大スポーツ科学部卒業後は、スイスとドイツのトップリーグでプレーした。現役引退後は三菱電機に就職し、日本オリンピック委員会へ出向。その後、スポーツ業界へ転職し、早稲田大競技スポーツセンター、日本スポーツ振興センター、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に勤務のほか、五輪でアイスホッケーのゲストスタジオ解説を務めた。2021年よりアメリカ・カリフォルニア州在住。漫画『ピーナッツ』の作家・シュルツ家が設立した「Snoopy's Home Ice」で、スケーティングコーチとして活動している。また、アメリカで活躍するアスリートやスポーツ関係者への取材を通して次世代を応援する記事の執筆を目指している。

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