「あの大谷翔平より多くホームランを...」佐々木麟太郎にアメリカ28大学からオファー殺到「すごい接待でした」進学のキーマンが明かす (3ページ目)

  • 富永 遥●取材・文 text by Tominaga Haruka

【上院議員も出迎え...異例の接待】

 麟太郎にはじつは、28校もの大学からオファーがあった。いずれもフルスカラーシップ(学費全額免除)のオファーだったという。さらに大学からだけではなく、メジャーリーグの球団からのオファーも。

 しかし、麟太郎は軸をぶらすことなく、友永氏のアドバイスを受けながら、勉強と野球の両方の夢が叶うように進学先を選んでいった。

 最初は5校に絞った。それが、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)、スタンフォード大学、デューク大学、ヴァンダービルト大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)である。いずれも、全米大学体育協会(NCAA)の最高レベルカテゴリー「ディビジョンⅠ」に所属する大学だ。

「5校はどの大学の野球部もレベルが高く、アカデミックも全米でトップ。どの大学に行ってもあなたの人生は間違いない」と、友永氏は麟太郎に伝えたという。最終的には当然、本人が進学先を決めなくてはいけない。

 そこで、麟太郎はヴァンダービルト大学、UCLA、スタンフォード大学、UCバークレーの4大学を実際に訪問。有力候補選手が大学から招待を受ける形で行なわれる「オフィシャルビジット(公式訪問)」と呼ばれるリクルートプロセスを活用した。

「どの大学に行けば野球選手としての力を伸ばしてもらえるか、英語にどうしても不安があるため学校のサポート体制がどのようになっているのか、訪問するなかでこのふたつを中心に各大学で話を聞きました。どの大学も麟太郎君に対してすごい接待でした。ほかの部員たちも『こんなビジット(訪問)は見たことがない』と言うほど。各大学、かなり力が入っていました」(友永氏)

 ビジットは普通、野球部の練習や施設を見学して半日で終えるのが一般的であるそうだが、麟太郎の場合は前泊から始まり、空港までの送迎、朝食から昼食、夕食まで監督が入り、大学からの最大限のアピールがあった。

 驚くことに、最初に訪問したヴァンダービルト大学では、ウィリアム・ハガディ上院議員(元駐日大使)や大学の総長や学長、元阪神タイガースのマット・マートンも出迎えてくれて、レッドカーペット状態だった。

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