「あの大谷翔平より多くホームランを...」佐々木麟太郎にアメリカ28大学からオファー殺到「すごい接待でした」進学のキーマンが明かす (2ページ目)

  • 富永 遥●取材・文 text by Tominaga Haruka

【3時間の初面会で感じた強い志】

 一般的には、日本でドラフト上位指名候補の高校生は、プロ入りを選択することがほとんど。

「大リーグの各球団が動くくらいの実力を持った"金の卵"である日本人選手に、アメリカの大学がアプローチするのは初めてのケース。これまでこんなことはありませんでした」(友永氏)

 ヴァンダービルト大から連絡を受けた友永氏は、同級生である早稲田大野球部の小宮山悟監督に佐々木監督を紹介してもらった。その後、友永氏、佐々木監督、麟太郎の3人でzoomの初顔合わせを行なったという。

「麟太郎君の第一印象は、とても純粋で、大谷翔平選手を10年戻したようなしっかりとした青年。『誰もやったことのないことに挑戦したい』という気持ちも大谷選手に似ているなと思いました」(友永氏)

 これまで多くの若手有望選手をサポートしてきて友永氏は、「人間としても尊敬できる選手が野球人としても進化していく」と実感している。

 友永氏は、日本に本社を置くカー用品メーカーのアメリカ法人社長という本業がある。そのため、ボランティアとしてアドバイザーを引き受けるからには、生半可な状態でのサポートは難しい。

「まずはご両親に麟太郎君を任せてもらうにあたって信頼してもらうこと、そして麟太郎君のアメリカ行きへの思いをしっかりと確認したうえで、アドバイザーを引き受けるかを決める必要がありました」(友永氏)

 3時間にわたった長いzoomミーティング。「野球を終えたあとの人生のほうがはるかに長い。基盤をつくるにはアメリカの大学で学ぶほうが自分にとってプラスになると思った」。そんな麟太郎の言葉に、将来を見据えた強い志を友永氏は感じたという。

「彼の夢の実現に向けて、一番いい大学進学の選択ができるようにサポートしたいという気持ちになりました」(友永氏)

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