大阪桐蔭の元4番・小池裕也は藤浪晋太郎と森友哉の野球教室を実現「ツンデレのふたりをくっつけたい」 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tamigami Shiro

【藤浪と森の野球教室を実現】

 それぞれの立場で、今を全力で戦っている。もちろん、藤浪はその筆頭だ。

 メジャーデビュー戦となった2023年4月2日(日本時間)のエンゼルス戦。小池は朝5時から白水と電話をつなぎながらテレビ観戦。藤浪は先発し、2回まで完全投球も、3回途中8失点でノックアウト。2戦目以降も苦しい投球が続き、2ケタ防御率が話題になっていたある日、藤浪へ「生きてるか?」とメッセージを入れると、返信が来た。

<日本でどんな報道されてるか知らんけど、そこまで落ち込んでない。切り替えて頑張るわ>

 小池は言う。

「たまに野球好きの人から『藤浪ってメンタルが弱いの?』と聞かれることがあるんですけど、とんでもないです。あいつほど気持ちの強いヤツはいない。もし藤浪がメンタル弱かったら、もう野球はやれてないですよ。阪神の時から"イップス"だのいろいろ言われて、普通の人間だったら(精神的に)もたないですよ。でも、藤浪のメンタルの強さは大阪桐蔭の2年半のなかで鍛えられたものが土台になっているはず。これも西谷先生によく言われていたことですけど『そっからどうすんねん? 落ちてからやろ?』と。『いい時はみんないい。あかん時にどうするんや』ということです。澤ちゃんも藤浪も、どん底からはい上がってきましたからね。そこにはやっぱり"大阪桐蔭育ち"を感じます」

 一方、小池自身はどうなのか。現在はビルメンテナンス、マンション管理などの建物管理業を行なう『日本管財株式会社』に勤務し3年目を迎えた。耐震、防災などの中長期的な修繕計画を立て、施工業者の仲介、管理人の面接まで行なう。自動車ディーラー業のあとは甘い誘いに乗って転職し、苦い思いを味わったこともあった。また少年野球の世界では、大人との軋轢のなかで身をすり減らすこともあった。

「あの頃は僕もまだまだでした......」と振り返りつつ、今はようやく腰を据えて仕事に励んでいる。

 ある時、西谷が不思議そうなトーンで小池について語ってきたことがあった。

「藤浪も澤田も白水も、グラウンドに来る時はなぜかみんな小池と一緒に来るんです」

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