大阪桐蔭の元4番・小池裕也は藤浪晋太郎と森友哉の野球教室を実現「ツンデレのふたりをくっつけたい」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tamigami Shiro

「春夏連覇の年からちょうど10年目に、ふたりが甲子園で対戦したんです。コイツらもきついなかで頑張っているんやと思っていたところで、藤浪の顔がアップになってグッときました。やっぱり、オレらの代表なんで。あの対戦を見て『オレももっとやらな』と素直に思えたというのはありましたね」

 仲間であり、ライバルでもあった元チームメイトの頑張り。福井工大福井の野球部監督として甲子園を目指している白水健太からも常に刺激を受けている。2023年夏の福井大会では、準決勝で福井商と対戦。大阪桐蔭時代の1年後輩で、現在は森のパーソナルトレーナーを務める久米健夫が、速報の動画を見ながら白水への応援メッセージをコメント欄に書き込んでいた。

 小池がこれに気づき、この状況をLINEでアメリカの藤浪にも伝えた。

「藤浪もコメント入れるか?」
「何時や思うてんねん! こっちは深夜や!」
「代理人通したほうがええか?」

 試合は初回に3点を失う劣勢のスタート。ライブ映像を見ながら、LINE上でのやりとりが続いた。

「前半はジャブを打って、後半勝負」
「殴られるのは当たり前。大事なのは殴られてからや」
「フライアウトが多すぎ。叩いて(打球を)伸ばす意識が足りてない」
「しっかり組んで、まわしをつかんだら絶対に離すな!」

"西谷語録"も随所に散りばめながらの応援となったが、結果は敗戦。頂点まであとふたつと迫ったが、白水の甲子園への帰還は持ち越しとなった。小池もこの敗戦にがっくり肩を落としていたが、その直後、今度はうれしいニュースが飛び込んできた。右ヒジの手術後、オリックスを戦力外となり、ロッテと育成契約を結んでいた澤田圭佑の支配下登録が発表されたのだ。

「白水が負けた日に、澤ちゃんの支配下登録のニュース。どんな感情になったらええかわからんな......と思いながらもうれしかったですね。澤ちゃんとは大阪の病院にもついていって、地道でしんどいリハビリをやっていたのも見ていましたし。食事をしながら話もしょっちゅう聞いていたので。ほんとによかったなと。それに支配下に戻っただけじゃなく、秋にはCSでもバンバン投げていましたからね。やっぱり澤ちゃんはすごいですよ」

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