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ドラフト指名を待つ東京六大学の実力投手6人 注目は「東都7人衆」だけじゃない (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

■池田陽佑(いけだ・ようすけ)

智弁和歌山高 → 立教大

183cm/93kg 右投右打

 最速152キロの速球と、打者の手元で動くカットボールやツーシームが持ち味。1年生の春に早くも初勝利を挙げると、その後も先発投手として活躍した。智弁和歌山時代には4季連続で甲子園に出場。高校3年の夏には星稜のエースだった奥川恭伸(ヤクルト)と投げ合い、延長戦の末に敗れたが高い実力を見せつけた。

 3年生で迎えた昨秋のリーグ戦では、球速が安定して防御率2.23と成長を見せたものの、「プロ入り」を宣言して臨んだ今年は春に挙げた1勝のみ。「調子の波を少なくする」「冷静に試合を見る」ことを意識して臨んだシーズンだったが、試合を作りながら勝利に結びつかない歯がゆい場面も目立った。そこをスカウト陣が評価するかだが、1学年上の先輩、荘司康誠(楽天)に続く吉報を待つ。

■加藤孝太郎(かとう・こうたろう)

下妻一高 → 早稲田大

179cm/77kg 右投右打

 早稲田大学でエースナンバーの「11」を背負う加藤だが、甲子園出場経験者が揃うチームの中では異色とも言える、「一般推薦入試」で野球部の門を叩いた経歴の持ち主だ。昨春のリーグ戦で2勝(2敗)を挙げると、最速147キロながらキレのあるストレートと、球持ちのいいフォームから繰り出される変化球と低めを突く投球術で、続く秋のリーグ戦で最優秀防御率のタイトルを獲得した。

「プロを目指すために大切」と意気込んだ今春のリーグ戦では、エースとして3勝をマーク。5月13日の王者・明治大戦では、4日前の法政大戦で8回を投げながら先発で起用された。その明治大戦は、制球を乱して7失点を喫し負け投手になったが、小宮山監督は「それでも、(早稲田のエースがつける)11番はそれを乗り越えないといけない。こういう状況でも戦える力をつけなければいけない」と檄を飛ばした。

 チームはまだリーグ優勝の可能性を残しているが、制球力を武器に117勝を挙げた小宮山監督の薫陶を受けた右腕は、ドラフト指名と自らの大学最終シーズン優勝の"両獲り"を狙っている。

【写真】前田悠伍から隠し玉まで...2023年のドラフト候補たち

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