甲子園出場を逃した13人の逸材 世代ナンバーワンの大阪桐蔭・前田悠伍も決勝で涙 (2ページ目)
武田は体格的に恵まれているわけではないが、投打とも本能でプレーする天才型。投手としてはキレのあるストレート、野手としては身体能力の高さと打撃面の順応性が際立つ。矢澤宏太(日本ハム)と近いプレースタイルだ。今夏は強敵・鶴岡東戦で完投勝利&高校通算31号本塁打の大暴れも、決勝戦では日大山形に4対6で敗戦。本人は高校卒業後も二刀流継続を希望しているが、野手としての才能が突出しているだけにプロ側からどう評価されるか。
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【将来性抜群な右の本格派6人】
右投手では坂井陽翔(滝川二)、木村優人(霞ヶ浦)と本格派の好素材も、甲子園には届かなかった。いずれも140キロ台後半の快速球を投げるだけでなく、変化球も高い精度で操れて、打撃力が高い点でも共通している。
坂井は苦しい戦いを潜り抜けながら兵庫大会ベスト4に進出したものの、準決勝で明石商に1対2と惜敗。指にかかった角度のあるストレートは攻略困難のキレと球威があるだけに、肉体と技術が成熟すれば大化けする可能性が高い。
木村はエースとして茨城大会決勝まで牽引し、決勝戦も土浦日大を8回まで無失点に抑える好投。3点のリードを得て甲子園は目の前だったが、9回表に被安打7、失点5と崩れた。とはいえ、ストレートの軌道から曲げられるカットボール、スプリットに、打者に意識させるカーブと高校生とは思えない変化球を扱える点を評価したい。
190センチ台の大型右腕として存在感を放ったのは、日當直喜(ひなた・なおき/東海大菅生)、篠崎国忠(修徳)、平井智大(駿台甲府)の3人だ。
日當はその巨体から剛球右腕に思われがちだが、実態は変化量からコースまで自在に操る"フォーク使い"。今春のセンバツでベスト8に導いた投球は記憶に新しい。今夏は5回戦で駒大高と対戦し、延長10回タイブレークの末に4対6で敗れた。
篠崎は今春の公式戦を故障で登板回避し、今夏に賭けていた。192センチ、100キロの巨漢ながら、カーブ、スライダー、フォークと変化球を器用に操れるのが魅力。番狂わせが続出した東東京大会では準々決勝に進出したものの、岩倉に1対8で敗退。今後はプロ志望届を提出する予定だ。
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