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高校野球は新基準の金属バット導入でバッティングがどう変わるのか 試打した帝京高校の部員は「音に惑わされる感じがします」 (3ページ目)

  • 藤井利香●取材・文 text by Fujii Rika
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

●いざ試し打ち!「一番驚いたのは...」

ーーまずはトスバッティングで打っていただきました。印象は?

前田 私はもともと木の世代ですから、木のバットを振っているような感覚があって感触はよかったです。一番驚いたのは、打球音。

 3シリーズでそれぞれ違って、現行のバットに近い音かと思えば、キーンというかなり高い音を出すものもある。この高い音は、消音バットが出る前の頃のような感じでした。

石神 音の違いは、使っている金属仕様によるものです。同じ金属といってもシリーズごとに素材が異なるからです。素材はメーカーごとに独自のものを使っているので、他社のバットがどんな音を出すかはすべて打ってみないとわかりません。

前田 選手はバット選びの際にそういった細かいところまで気にする必要はないでしょうが、打った音に惑わされなければいいなと思いますね。音のわりに、少しでも芯をはずしてしまえば飛ばないかもしれないから。

新基準バットの試し打ちをする前田氏新基準バットの試し打ちをする前田氏この記事に関連する写真を見るーー続いて今回、久しぶりに選手とともにケージに入っていただきました。新バットでのフリーバッティングの感触はどうでしたか?

前田 久々のバッティング。74歳、選手に負けないつもりで打ちました(笑)。低反発で飛ばないと言われていますが、危惧したほどではないですね。芯に当たればこれまでどおり、強く飛ばせる気がします。しかもバットが細い分、とても振り抜きやすい。

「ゼットパワー」シリーズは、確かにボールの吸いつきがよかったように感じました。他の2つのシリーズでは、手元にバランス配分されたバット(ニアバランス)で打ってみましたが、やはり現行と思ったほどの違いはなかったですね。

石神 他の2つのシリーズは先端部にヘッドキャップをはめ込んだ構造で、打った時の打球感がまた違います。それぞれのシリーズで「柔らかい打球感」とか「乗せて運ぶ打球感」とかうたい文句があるんですが、選手の皆さんには実際に振った感触を大切にして選んでもらいたいです。

ゼットの新基準バット7モデルゼットの新基準バット7モデルこの記事に関連する写真を見るーーバントをした時の感触はどうなんでしょうか?

前田 金田(現監督)は今までとは違う転がり方をする印象だと言っていましたが、そもそも低反発というから、私は打球を殺しやすいんじゃないかと思ったんです。

 でも、そこは同じ金属。きちんとボールを殺さないと、ミスにつながる。しかもバットが細くなっているのだから、むしろこれまで以上に正確にバントする意識が必要なのではないでしょうか。

 ちなみに木のバットの時は、芯に当てるのと、バットの先に当ててボールを殺す練習をしました。そんな練習も取り入れてみたらどうかなと思います。

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