140キロ超えは50人以上。この夏の甲子園でスカウトが「指名間違いなし」「将来が楽しみ」と評価した10人の投手は? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtiomo Yoshiyuki

 山田は身長175センチ、体重78キロと投手としては小柄。3回戦の長崎・海星戦で満塁本塁打を放った打撃を評価する声もある。

「投手としては、柔らかさがないので故障が心配です。高校野球の広いストライクゾーンだから結果が出ている感じもします。個人的には、多少強引に引っ張る傾向はありますが、バットが振れるし、打者としてのほうが面白いかなと思っています」(パ・リーグスカウトC氏)

 次に名前が挙がったのが、田中晴也(日本文理)だ。186センチ、92キロの堂々たる体躯から投げ込むストレートが武器の本格派右腕だ。この夏は新潟大会で右手人差し指の皮が破れた影響もあり、本来のピッチングができなかった。甲子園では148キロ止まりだったが、最速は150キロを誇る。

「もともと今年の高校生投手は、田中を中心に回るんじゃないかと言われていた逸材です。指の故障があったとはいえ、それなりにゲームをつくっていたし、ピッチングに強弱をつけられるのは高く評価できます。欲を言えば、爆発力がほしい。今年に入って150キロは出ましたが、それ以上の上積みが感じられなかった」(パ・リーグスカウトA氏)

「真っすぐはいいですね。ただ、スマートに投げようとしすぎている印象を受けました。もう少し、ガツガツした気持ちがほしいなと。体のサイズはあるし、柔軟性もあるので2、3年後にはすごいピッチャーになるかもしれないという可能性は感じました」(セ・リーグスカウトD氏)

 プロ志望か、それとも大学進学か。本人の決断に注目が集まる。

指名有力な3人の本格派

 このふたり以外で指名確実と評価された投手は以下の3人だ。筆頭は今春のセンバツ優勝投手で、今大会でも146キロをマークした川原嗣貴(大阪桐蔭)。初戦の旭川大高戦は本塁打を浴びるなど3失点したが、3回戦の二松学舎大付戦は完封勝利を飾った。

「188センチの大型投手ですが、ものすごく丁寧に投げます。コーナーにいろんな球種のボールを投げられるのは大きなメリットです。ピンチでも同じペースで投げられるのもいい。そういう面も評価できます」(パ・リーグスカウトC氏)

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