小倉清一郎が選出した横浜高校歴代エースベスト5。「松坂も涌井も入学時は普通の投手だった」 (5ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

高浜高校から明治大に進み、ドラフト1位で中日に入団する柳裕也高浜高校から明治大に進み、ドラフト1位で中日に入団する柳裕也この記事に関連する写真を見る

柳裕也(明治大→中日ドラフト1位)

 甲子園に3度出場しているが、実力は横浜高校の歴代エースのなかでベスト10には入らない。高校時代の球速は130キロぐらいで、特筆すべきボールがあったわけでもなかった。

 それが明治大に行ってからスピードが増し、ピッチャーとして大きく成長した。本来の才能が開花したこともあるだろうが、かなり努力したのだろう。

 プロ入りしてからは、最初は苦しんだが、3年目の2019年に11勝をマーク。昨年はカットボールを武器に最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得した。球速は145キロ程度と決して速いわけではないが、コントロールがいい。

 また柳は昨年、ゴールデングラブを初めて受賞した。その時に「高校時代に小倉コーチから徹底的に教えられたことに感謝する」とコメントしてくれた。

 プロに行けるような投手はあまり打たれる経験がないため「打球処理」「クイック」「牽制」が鍛えられていない。ボール自体はいいのに、これができなくて一軍で投げられないのはもったいない。横浜高校の投手は、オレが徹底して鍛えたからみんなうまい。そのなかでも松坂はゴールデングラブ賞を7回、涌井は4回受賞しているが、守備に関しては柳が一番うまい。

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