小倉清一郎が選出した横浜高校歴代エースベスト5。「松坂も涌井も入学時は普通の投手だった」 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

中学時代から130キロを超すストレートを投げていた涌井秀章中学時代から130キロを超すストレートを投げていた涌井秀章この記事に関連する写真を見る

涌井秀章(西武ドラフト1位)

 成瀬の1学年下で、中学時代は千葉のシニアチームに所属し、当時から133キロを出していた。ただ、高校2年秋まではたいしたことがなかった。それをアメリカンノックで徹底的に下半身を鍛えた。3年春になって体ができあがって、最終的には148キロまで球速を伸ばした。

 3年夏は甲子園に出場しベスト8に進出したが、準々決勝で優勝する駒大苫小牧に敗れた。

 ヒデ(涌井)の調子が悪い時は、体が早く開いてしまい、ボールの出どころが打者に見やすくなってしまう。球の回転がよく死球も少ないから、打者が怖がらずに踏み込んでくる。もう少しボールが暴れてくれたら、外角を見送ってくれたんだが......。

 今年は好調だと思っていたら、打球を受けて右手中指を骨折してしまったのが残念だ。

 日本で唯一の「3球団で開幕投手勝利」を果たし、さらにこれも唯一の「3球団で最多勝」を成し遂げた。本当なら現時点で170勝くらいしていなくてはいけないし、通算200勝に到達すると思っていたが......今年36歳、185〜190勝くらいかなぁ。

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