153キロ右腕、忍者、鳥谷敬の再来...大学野球選手権で見逃せないドラフト候補たち (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

東海大菅生時代から華麗な守備を見せる亜細亜大・田中幹也東海大菅生時代から華麗な守備を見せる亜細亜大・田中幹也この記事に関連する写真を見る ほかにも神野竜速(神奈川大)、高坂綾(千葉経済大)も実績を積み上げてきた好素材。春のリーグ戦で本調子ではなかった木村光(佛教大)、村上幸人(福岡大)は復調の兆しを見せているだけに、大舞台で本来の安定感を発揮できるか。

 左投手では、久保玲司(近畿大)、伊原陵人(大阪商業大)と上背は乏しいもののキレと実戦力で勝負する両投手に注目したい。

捕手に好素材ひしめく

 今大会は捕手の好素材が多く出場するという特徴がある。大会の目玉になりうるのは、野口泰司(名城大)だ。厚みのある迫力満点の肉体で、攻守とも馬力が際立つ。昨年12月の大学日本代表候補合宿で他大学のエリートから刺激を受け、大学最終学年でさらにレベルアップしてきた。

 上武大は小山忍と3年生の進藤勇也という全国屈指の捕手陣を擁する。ともに圧巻のスローイングとパンチ力の効いた打撃力を持ち、甲乙つけがたい。小山が春先に故障したため春のリーグ戦は進藤が正捕手だったが、上武大の谷口英規監督は大学選手権で両捕手とも起用することを示唆している。

 攻守にしぶとく存在感がある蓑尾海斗(明治大)、頑健な体と勝負強い打撃の土井克也(神奈川大)、大学トップクラスのスローイング能力を誇る石伊雄太(近大工学部)、南部九州大会で2本塁打を放った松山翔太(宮崎産業経営大)といった好捕手も見逃せない。

 内野手では、ぜひシートノックから見てもらいたい選手がいる。田中幹也(亜細亜大)。東海大菅生高時代から「忍者」の愛称で親しまれた遊撃手である。好選手揃いの大学球界でも、弾けるような動き出しのキレは異次元。今春のリーグ戦では1試合6盗塁の東都リーグタイ記録をマークしている。

 友杉篤輝(天理大)は昨年の同大会で10打数8安打と大暴れした遊撃手。シュアな打撃と盗塁可能な俊足を備えている。今年は前出の名城大の好投手と強肩捕手の野口を相手に、どんなパフォーマンスを見せられるか。

 復活に期待したいのは、村松開人(明治大)だ。今春リーグ戦は右ヒザ半月板のクリーニング手術明けのため出場機会が限られたが、DH制のある大学選手権で抜群の打撃センスを見せてくれる可能性もある。

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