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初戦で花巻東の佐々木麟太郎を圧倒、大会No.1右腕となるか。市和歌山・米田天翼のすごさとは (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 5対1と4点リードで迎えた9回表は、粘る花巻東の猛反撃を受けた。2点を失い、二死無走者から四球を出して佐々木まで打順が回ると、甲子園球場はこの日一番の大歓声に包まれた。

 8回に回っていた佐々木の4打席目は、打ち損じながら米田の143キロの速球を引っ張り、ファーストゴロにしていた。5打席目になり、そろそろ佐々木が順応してくる可能性は十分にあった。ところが、結果はエルボーガードをかすめる死球。高まる期待とは裏腹に、ふたりの勝負は肩透かしのような形で幕を下ろした。

 その後、田代に1点差に迫られるタイムリーヒットを許したものの、小澤を詰まったレフトファウルフライに。米田は辛くも完投勝利を収めた。苦しい試合を乗り切り、米田はこんな実感を語っている。

「ああいう場面で、自信のあるストレートで押しきれた。気持ちが前面に出ていたと思います」

 次戦は3月26日の第2試合、関東を代表する強打線の明秀学園日立と対戦する。

 追い込まれれば追い込まれるほど研ぎ澄まされる、米田天翼の真価は見られるのか。大会No.1右腕の座は、もうすぐそこまで迫っている。

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