花巻東・佐々木監督が『ドラゴン桜』作者に語った「なぜ岩手から次々に逸材が現れるのか?」の答え

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Hosono Shinji

昨年秋の東北大会を制し、センバツに出場する花巻東ナイン昨年秋の東北大会を制し、センバツに出場する花巻東ナインこの記事に関連する写真を見る佐々木 我々が小さい頃の練習と言えば、冬場はサッカーをしたり、走り込んだりするのがメインでした。それが、指導者の意識が変わり、練習内容や方法が変わった。才能を伸ばす指導が増えてきたと思います。中学ではボーイズリーグやシニアリーグの大会で全国のレベルを肌で感じる環境が増えたことも、岩手の子どもたちの才能をどんどんと伸ばしている要因になっていると思います。

── 偉大な先輩たちに続くように、今年の花巻東にも能力の高い選手が集まっています。

三田 楽しみですね。昨年秋の明治神宮大会ではベスト4。広陵高校(広島)との準決勝では、コールド負けもチラついていた6回表に1点を返し、終盤からは相手に食らいつく怒涛の粘りを見せてくれました。結局は9対10で敗れましたが、その戦いに実力の高さを感じました。劣勢から、あと一歩まで相手を追い詰めたインパクトは、高校野球ファンにも強烈に残ったはずです。

佐々木 一時はどうなるかと思いましたが、なんとか花巻東らしい戦いはできたのかなと思います。

三田 3月18日に開幕するセンバツ大会でも、花巻東高校の戦いは多くの方々から注目されるのではないでしょうか。そのなかで、やはり新2年生のスラッガーとして注目を集める佐々木麟太郎選手の活躍も楽しみですね。スーパースターとは、すでに1年生の時点で何かしらのストーリーを持っている選手だと思うんです。雄星投手はスーパー1年生と言われた。大谷選手は鳴り物入りで高校に入学して、岩手県民が期待に胸を膨らませた。そこにはストーリーがあった。スター選手が生まれる時は、スポットライトの浴び方が大事。そう考えると、佐々木麟太郎選手はすでにベストなスポットライトを浴びている。明治神宮大会では、打席に立つだけで歓声が沸いた。ホームランを放った打席では、「やってくれるだろう」という期待感がものすごくあって、実際にその期待に応えてしまう。強烈な印象を残しましたよね。センバツ大会で、高校野球ファンが何を期待するかと言えば、佐々木麟太郎選手のホームラン。そう言っても過言ではないと思います。僕自身も、彼のセンバツ大会での姿をものすごく楽しみにしています。

佐々木 我々は、最後までファイティングポーズをとっているチームでありたい。どんな状況であっても「まだまだやるぞ」という雰囲気だけは持ち続けていたい。常にそう思って戦っています。センバツ大会でも、そういう姿勢を忘れることなく挑み続けたいと思います。

  この記事に関連する写真を見る三田紀房PROFILE
1958年生まれ、岩手県北上市出身。明治大学政治経済学部卒業。
代表作に『ドラゴン桜』『クロカン』『砂の栄冠』など。
『ドラゴン桜』で2005年第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁
メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。現在、「ヤングマガジン」にて
『アルキメデスの大戦』、「グランドジャンプ」にて『Dr,Eggs-ドクターエッグス-』を連載中!

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