2022.03.17

花巻東・佐々木監督が『ドラゴン桜』作者に語った「なぜ岩手から次々に逸材が現れるのか?」の答え

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Hosono Shinji

漫画家・三田紀房×花巻東野球部監督・佐々木洋 対談

 代表作『ドラゴン桜』をはじめ、高校野球を題材とした『クロカン』や『砂の栄冠』など多くのヒット作を手がけてきた漫画家の三田紀房先生。そして菊池雄星(ブルージェイズ)や大谷翔平(エンゼルス)の母校である花巻東高校野球部の佐々木洋監督。ともに岩手出身であり、黒沢尻北高校の先輩・後輩の関係でもあるふたりに『高校野球』と『岩手』をテーマにたっぷり語り合ってもらった。

ともに黒沢尻北高校出身でもある三田紀房氏(写真左)と花巻東・佐々木洋監督ともに黒沢尻北高校出身でもある三田紀房氏(写真左)と花巻東・佐々木洋監督 この記事に関連する写真を見る

『クロカン』から学んだこと

── 郷里が同じ岩手で、ともに岩手県立黒沢尻北高校のご出身という共通点が多いふたりですが、そもそもの出会いはいつだったのでしょうか。

三田 佐々木監督と実際にお会いして初めて話す機会があったのは、2009年ですね。菊池雄星投手を中心とした花巻東が準優勝したセンバツ大会の時でした。ただ......それ以前の2007年、雄星投手が1年夏の岩手県大会を、僕は実際に岩手県営球場へ行って観ているんです。その大会で花巻東は優勝するわけですが、某新聞紙で県大会決勝の観戦記を頼まれましてね。

佐々木 そうでしたね。書いていただきました。その夏、甲子園では新潟明訓高校に0対1で敗れましたが......。

三田 その甲子園の試合についても某スポーツ紙で観戦記を書かせていただいたのですが、内容が......。佐々木監督は黒沢尻北高校の同窓ということで、あえて敗戦に対して厳しく指摘した原稿を書かせていただきました。甲子園1回戦で負けて悔しかったし、頭にきたし(笑)。その後、佐々木監督に会って「あの時は、申し訳なかった......」と謝ったのを覚えています。

佐々木 いや、逆に私は感謝しました。かつての岩手の高校野球には、たとえ甲子園で勝てなくても、地元の方から「よく頑張った」「お疲れ様」と言ってもらえる雰囲気がありました。もちろん、その応援や声援はうれしいことなのですが、甲子園に出場して満足していた時代があったのは事実です。そういうなかで、三田先生は厳しい言葉を投げかけてくださいました。