2021.12.08

甲子園を沸かせた巨漢投手がついに本格化。195センチからの速球で大学球界の精鋭たちを圧倒

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 愛媛・坊っちゃんスタジアムに集まった44名の有望大学生のなかで、赤塚健利(けんと)を探し出すのはじつに簡単だった。集団のなかでひとりだけニョキッと飛び出す頭を見つければいいのだから。

 赤塚は大学代表候補の強化合宿に初めて招集された、中京学院大の2年生である。身長195センチ、体重102キロの巨漢で、身長も体重も招集選手のなかでナンバーワン。2番目に身長が高い松本凌人(名城大2年)の185センチより10センチも高い。

大学代表候補の強化合宿でインパクトを残した中京学院大の赤塚健利大学代表候補の強化合宿でインパクトを残した中京学院大の赤塚健利 この記事に関連する写真を見る  その赤塚は12月4日の紅白戦で圧巻の投球を見せた。2イニング全6打者の投球内容は下記のとおりだった。

①林琢真(駒澤大3年)空振り三振

②下山悠介(慶應義塾大3年)ライトフライ

③宗山塁(明治大1年)空振り三振

④坂下翔馬(近畿大2年)空振り三振

⑤道原慧(立教大3年)空振り三振

⑥森下翔太(中央大3年)キャッチャーファウルフライ

 登板後、赤塚は自分の投球をこう振り返っている。

「自分の持ち味はストレートなので、持ち味を全力で出しきろうと頑張りました」

 また、笑顔でこんな言葉も口をついた。「楽しみながら投げられました」と。

【高校時代はリリーフで夏の甲子園ベスト4】

 注目すべきは対戦した打者がいずれも名門大学の主力選手であり、この日の紅白戦でも好成績を残していた打者が大半だったこと。赤塚本人は「バッターの顔を見る余裕はほとんどなかった」と語るが、大学球界の猛者たちの脳裏に赤塚健利の名前ははっきりと刻まれた。来秋のドラフト上位候補である山田健太(立教大3年)は、「印象に残った選手は?」と問われ赤塚の名前を挙げている。

「ベンチで見ていても、赤塚くんはすごいピッチャーだなと思いました」

 この日の松山市は最高気温12度と低く、寒風吹きすさぶ悪条件だった。実戦から遠ざかっていた投手が大半であり、紅白戦では本来の実力を発揮できない投手も目立った。そんななか、最速151キロの大型右腕が強打者をストレートでねじ伏せていく姿は強烈なインパクトがあった。