横浜高時代と変わらぬ福永奨の姿勢。プロ入りへ「人間力」をアピール (4ページ目)
横浜で生まれ育ち、22年目を迎えた。家族、親戚、地元の友人はいつも福永の試合を見に来てくれる。彼らから授けられた「頑張ってくれ」という言葉に支えられ、今日まで前を向いて野球に打ち込んでこられた。いつしか福永の内面に「周りをもっと喜ばせたい」という思いが膨らんでいった。
福永のなかに「応援される選手」の代表格としてイメージしている選手がいる。横浜高時代のチームメイトだった増田珠(ソフトバンク)である。
「増田は常に笑っていて、野球を楽しんでいるのが伝わってきます。でも、あれは自信があるからこそできると思うんです。自分はキャッチャーなので笑いながらプレーするわけにはいかないですが、野球を楽しむ姿勢は持ち続けたいですね」
プロで奮闘する増田と同じ舞台に立つためにも、今季は何がなんでも結果を残さなければならない。とはいえ、今の福永に余計な力みはない。
「プロに行くために必要だと思うことは全部やってきました。でも、自分の『プロに行きたい』という思いだけでは野球はやりません。キャプテンとしての姿勢、言動を見せて、チームを勝たせる。個の力ではなく、まずはチームとして戦う。そうでなければ、この『戦国東都』では生き残れませんから」
春のシーズンが終わる頃、福永はドラフト戦線のどの位置を走っているだろうか。「勝たせる捕手」という称号は、福永奨という人間にさらなる厚みを持たせるはずだ。
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