山本昌がセンバツの好投手12人を診断「石田隼都は松井裕樹になる」 (7ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

鋭く曲がるスライダーが武器の北海・木村大成鋭く曲がるスライダーが武器の北海・木村大成木村大成(北海/180センチ・78キロ/左投左打)

 非常に独特な腕の使い方をするサウスポーですね。バックスイングで大きく背中側に左腕が入りますが、ここから鋭く振れて速球にキレがあります。また、ステップする右足が少し突っ張る分、ブレーキの効いた変化球が投げられるのも魅力です。本人はスライダーと言っているそうですが、私には工藤公康さん(ソフトバンク監督)が高校時代に投げていたカーブと重なって見えました。もう少し体重移動ができれば、よりキレのあるボールが投げられるだろうと思う反面、このステップだから変化量の大きな球種が投げられるメリットもあるでしょう。独特な腕の振りは今後指導者に矯正される可能性もありますが、私の後輩の岩瀬仁紀(元中日)のように特殊な腕の振りでも成功した例もあります。木村くんには、自分にしかできない個性を生かしてもらいたいですね。上の世界ではリリーフタイプとして、すぐに起用される近未来像が浮かんできます。

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