2020.11.25

「秋山翔吾二世」は社会人でも本領発揮。
正真正銘のドラフト候補へ

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Nagata Ryotaro

 身長166センチ、体重68キロ。小柄な体だが巧みなバットコントロールでヒットを量産する。

 社会人野球のTDK(にかほ市)のリードオフマン。北畠栞人(かんと)は、今年10月に行なわれた都市対抗野球東北大会二次予選で11打数7安打、打率.636のハイアベレージを記録し、同大会の首位打者賞に輝いた。

初の都市対抗に挑むTDKの北畠栞人「打席でマイナスなことを考えたら絶対に成績にはつながらないので、自分はいいイメージを持って打席に立つようにしています」

 打席で心がけているのは自分の力を過信しないこと。「絶対に打ってやる」と思うと力みが出るため、「打てたらいい」「打てたらラッキー」と思うようにしているという。

 八戸学院大時代は"秋山(翔吾)二世"と称された津軽の安打製造機は、社会人野球に活躍の場を変えてもその輝きを失うことはない。

「社会人1年目なので、都市対抗がどういう感じなのかわからない部分もあります。本戦と予選はまた別の感じなのかなと......。でも、そこが楽しみでもあります。どんな雰囲気で野球ができるのかなって」

 八戸学院大では1年秋に打率.359をマーク。盗塁王も獲得して北東北大学野球連盟のベストナインに選出。以後もベストナインの常連となり、リーグを代表する外野手としてプロ入りを期待する声も聞こえた。しかし、北畠の手応えは周囲が思っているほどではなかった。

「失礼な言い方かもしれませんが、自分のなかでは『北東北で成績を残しても......』っていう考えだったんです。関東の社会人チームにいるような高いレベルの投手を打って成績を残したならプロを意識したかもしれないですけど、当時は『プロに行きたい』とかそこまでの考えじゃなかったかなって自分では思っています」

 大学3年の秋には打率.581をマークして初の首位打者を獲得した。北東北大学リーグでは常に打撃成績の上位5人に名を連ねるなど無双を誇った北畠だが、それでもプロのスカウトが獲得に向けて動いている様子はなく、大学3年の春頃には進路について答えを出していたという。

「実際にプロのチームから『欲しい』という話があれば少しは意識したのかもしれないですけど......」