「秋山翔吾二世」は社会人でも本領発揮。
正真正銘のドラフト候補へ (2ページ目)
現在所属するTDKへの入社を決めたのは大学3年の秋頃。TDKの佐藤康典監督からは「プロ待ちもOK」と理解を示してもらったが、自分を必要としてくれたことへの感謝と、今のままではプロのレベルに達していないという判断から、プロ志望届は出さず、社会人野球に進むことを決めた。
TDKに進むと同期の植村祐介(広陵→東海大)、三河聖央(横浜→国際武道大)、山形堅心(明徳義塾→創価大)、鈴木大貴(福島東→流通経済大)らとともに、8年ぶりとなる都市対抗出場に貢献。
なかでも存在感を示したのが北畠と植村の1・2番コンビだ。春のオープン戦からコンビを組むふたりは、もう何年も一緒にプレーしていたかのようにお互いを知り尽くしている。北畠は言う。
「社会人でも成績を残せているのは、2番を打つ植村の存在も大きいと思います。自分が初回に打てない時、あいつが打つんです。なので、自分が打てなくてもあいつが打ってくれるだろうと、気楽な気持ちで打席に入れています」
プライベートでも一緒にいることが多いそうだが、北畠は冗談ついでにこんな話もしてくれた。
「オレが打ったらバントになることが多いので、いつも『打たなくていいよ』と言ってくるんです。『打つんだったら長打にして』と(笑)」
11月25日に迎える日本新薬(京都市)との都市対抗の1回戦でも、この1、2番コンビは脅威となるだろう。北畠が言う。
「都市対抗予選でこれだけの成績を残せたことは自信になりました。自分のなかで(プロ入りとか)少しは考え方が変わってくるのかなと思いますね」
八戸学院大の4年春には3本塁打を放ち、本塁打王を獲得するなどパンチ力もある。都市対抗予選の七十七銀行戦では試合を決めるソロ本塁打を放った。北畠を見る周囲の目も変わり始めている。
弘前市でトマト農園を営む父の夢は「息子がいつかプロ野球選手になること」。その夢を実現する最大のアピールの場が都市対抗になるはずだ。
2 / 2