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甲子園中止で語り継がれる「悲劇の世代」。
世代屈指の好投手が進路の悩みを激白 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 体の力が抜け、気持ちも萎えてしまった。休校になっても毎日欠かさなかった自主練習もできなかった。

「2、3日はなにもやる気が起きませんでした」

 そんな高橋が休校期間中、感じたことが2つある。

 ひとつは、周りに人がいることのありがたさだ。

「それまで当たり前のように仲間と会っていましたが、それが会えなくなって......仲間に会える喜びを感じさせられました」

 もうひとつは、自分自身の成長だ。休校により野球部の活動は自粛。それからは個人練習になったが、この期間、高橋は充実した時間を過ごした。不規則な生活にならないよう、毎日起床から就寝までのスケジュールを立て、やるべきことをやった。

 午前中は部屋にこもり、体幹トレーニングと学校の課題に勤しみ、午後は約10キロのランニングと短い距離のダッシュ。また、週に5日は兄とキャッチボールをして感覚を失わないようにした。食生活も見直し、野菜の摂取量やプロテインを飲む回数を増やした。その結果、体重は80キロから85キロになった。

 さらに神宮大会の映像を見直し、投球フォームの修正にも取り組んだ。大きく変えた点は2つ。

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