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コロナ禍で混沌とするドラフト戦線。
現地点での上位候補は? (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 早川は木更津総合高時代から甲子園で活躍したサウスポー。大学でストレートのスピードと球威が増し、投手としてひと回りスケールアップした。とはいえ、大学3年間のリーグ戦成績は7勝12敗と今ひとつ。序盤は手のつけられない投球をしていても、中盤以降につかまる傾向があった。だが、今春時点で早川は「自分が投げて勝つビジョンが明確にできつつあります」と語るほど手応えをつかみつつあっただけに、早く公式戦での進化を見たいところだ。

 木澤はリーグ戦通算3勝と早川以上に実績が乏しいものの、体調万全なら今年大ブレークが期待できた投手だ。最速155キロの速球には角度があり、カットボール、スプリットは140キロ近い高速で変化する。強打者の内角をしつこく突ける勝負度胸も光る。これまでは肩・ヒジの故障に悩まされていたが、現在は痛みもなくケアも徹底している。

 また、今年の慶應義塾大投手陣は好投手が多く、左腕の佐藤宏樹も逸材だ。肩関節の可動域の広さが仇となり、まだ安定したパフォーマンスにはつながっていないが、指にかかったボールはMLB一流投手並みの回転数を計測する。

 例年ハイレベルな投手が出てくる社会人では、今年は栗林良吏(トヨタ自動車)が筆頭格になりそうだ。名城大時代から150キロ台をマークする速球は高く評価されていたものの、4年時は「ドラフト3位以下なら社会人行き」という縛りを設けており指名漏れ。広島が直前まで指名を検討していた逸材だった。社会人では総合力が増し、上位指名濃厚な即戦力候補だ。

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