2020.04.14

あえて指名凍結を選択。強心臓右腕が
術後に驚異的回復→再びドラフト候補へ

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 心なしか、去年よりマウンド上で生き生きとしているように見えた。

 試合後、マウンドを降りた西田光汰にそんな印象を伝えると「そう見えました?」と笑っておどけた。

2年前の都市対抗で5者連続三振を奪い脚光を浴びたJR東日本の西田光汰 無観客試合となった3月25日の東京都春季企業大会の初日。規定のためスカウトも観戦できない試合だったが、JR東日本の西田は切れ味抜群の投球を見せた。

 2対1と明治安田生命から1点リードを奪った8回二死一塁、打席に4番の泉澤涼太を迎えた場面で西田は登板した。この日、ソロ本塁打を放っている右の強打者を相手に、西田は勢いのある速球とスライダーを軸にカウント3ボール、2ストライクとする。最後は外角に横滑りする133キロのカットボールで空振り三振。9回も三者凡退に退け、西田はチームを勝利に導いた。

「下にも後輩が入ってきて、チームが若い分、僕が引っ張っていかないといけないと思っています。ウチの投手陣で都市対抗を経験しているのは僕と伊藤(将司)さんしかいないので」

 まるでベテランのような口ぶりだが、今年22歳になる若者である。大体大浪商(大阪)から入社して4年目。本来なら高卒3年目の昨季がプロ解禁イヤーで、同期の太田龍(巨人ドラフト2位)と同じタイミングでプロに進んでいてもおかしくない存在だった。