2019.08.06

佐々木朗希だけじゃない。甲子園に
出られなかった多士済々の精鋭たち

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Nikkan sports、Inoue Kota

“BIG4”と称される佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜)の4人のうち、奥川以外の3人は地方大会で姿を消し、甲子園で見ることができない。もちろん、彼らだけではない。全国各地で繰り広げられた地方大会のなかで、「甲子園で見たかった」という逸材は何人もいた。そのなかから、今後の活躍が楽しみな選手を何人か紹介したい。

 この夏、青森大会の組み合わせを見て、思わず「あっ!」と声を上げてしまった。八戸学院光星と青森山田が順当に勝ち進めば、3回戦で顔を合わせるからだ。この2校は言わずと知れた青森の”2強”であり、長年ライバルとして数々の名勝負を繰り広げてきた。決勝で当たるならまだしも、こんなに早くぶつかるとは予想外だった。

 この春のセンバツは八戸学院光星が出場を果たしたが、夏は青森山田だろうと勝手に決めつけていた。それほど、4月以降の青森山田の戦力は充実していた。

 その原動力となったのが、エースの堀田賢慎(ほった・けんしん/3年/右投右打)だ。この春から夏にかけて、ブームとなった佐々木朗希の”脱力投法”。140キロほどの力感から150キロ台のスピードボールをサラッと出す投法に、打者のバットはことごとく空を切った。堀田の場合、さすがに150キロ台には届かないが、130キロ台後半の力感から放つ145キロ前後のストレートは、高校生のスイングをかいくぐるには十分だった。

 力任せじゃないからコントロールに破たんがなく、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク……多彩な変化球も荒れることなく、きっちり投げ込んでくる。

 堀田のすばらしいところは、カウントが取れる変化球を、最低でも2種類は用意してマウンドに上がることだ。変化球で簡単にストライクが取れる高校生って、じつはそれほど多くなく、安定感という部分では間違いなく全国レベルの投手だ。