2019.08.06

「ドラフトキング」作者が甲子園の
優勝校を予想。スカウトの世界も語る

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sportiva、Ohtomo Yoshiyuki

 一見すると漫画家というより、サーファーのようなワイルドな風貌。いかにも異端の雰囲気を漂わせる漫画家・クロマツテツロウ先生が、現在『グランドジャンプ』で連載している作品が『ドラフトキング』だ。プロ野球のスカウトマンを題材にした同作は、サラリーマン層を中心にじわじわと人気を広げつつある。そこでクロマツ先生にスカウトの魅力と、8月6日から開幕する第101回全国高校野球選手権(夏の甲子園)の見どころを聞いた。

『グランドジャンプ』で「ドラフトキング」を連載中のクロマツテツロウ先生—— 『ドラフトキング』はプロ野球のスカウトにスポットを当てた珍しい漫画ですが、なぜスカウトを描こうと思ったのでしょうか?

クロマツ 野球漫画っていうと、だいたいプロ野球か高校野球が舞台になりますよね。いくら僕が大学生や社会人の漫画を描きたいと思っていても、残念ながら地味に思われてしまう。そこで、スカウトを題材にすれば、大学生や社会人にもスポットを当てられると思ったんです。

—— 実際にプロスカウトの方にも取材しているそうですが、想像とのギャップはありましたか?

クロマツ 実は、最初は裏金とか密約とか、そうしたドロドロしたところを期待していた自分がいました(笑)。でも、調べれば調べるほど「意外とクリーンな世界なんやな」と思わされました。

—— 作中には、かなりえげつない手法をとる個性派スカウトも登場しますが。

クロマツ これは、名前は言えませんけど……完璧にモデルになった人がいます! その人は、追いかけている選手の家にかかってきた他球団スカウトからの電話に自分が出てしまうような人でして(笑)。

—— 型破りなスカウトが実在しているんですね!

クロマツ でも、そんな型破りに見える部分を掘り下げていくと、人情が見え隠れするんですよ。そもそもは「こいつをなんとか(獲得)したい」という思いの表れですからね。

—— 作中に登場するドラフト候補を見ると、名門高校の2番手投手とか適齢期を過ぎた社会人野球選手とかチョイスも個性的ですね。クロマツ先生の作品からは、まだ日の目を浴びていない「本物」を拾い上げたいという意思を感じます。

クロマツ それはとくに思っています。野球に限らず、すごい実力を持っているのに運がなくて埋もれている人っていっぱいいるじゃないですか。そんな人がこの漫画を読んで、少しでも希望を持ってもらえたらいいなと思っています。