2019.07.10

好投手を輩出する霞ヶ浦。今年も
「茨城の主役」を張れる逸材が登場

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • photo by Takagi Yu

 綾部翔(あやべ・かける/DeNA)、根本薫(オリックス)、遠藤淳志(広島)と、2015年から3年続けて投手がプロ入りした霞ヶ浦高校(茨城)に、今夏もプロ注目の好投手がいる。

※根本は2018年より外野手登録

 身長185センチの大型右腕・鈴木寛人(ひろと)だ。スカウトのなかには、すでに一軍登板を果たしている綾部や遠藤を上回る素材と評するなど、底知れぬ魅力に満ちている。

プロも注目する最速148キロの大型右腕、霞ヶ浦の鈴木寛人 これまで多くの好投手を育ててきた高橋祐二監督は「まじめな子。とくにこの冬は、ひとつひとつやるべきことをきっちりやっていました」と、鈴木の人間性を高く評価する。

 技術的にも「スライダーが135キロ前後で、打者の手元で曲がります。フォークも130キロ前後でいいところに落ちます」と話すように、最速148キロのストレートに加え、実戦で使える変化球があることが大きな武器だという。

 鈴木は小学2年で野球を始めた。父が身長175センチ、母が162センチと日本人の平均よりもやや高いほどだが、睡眠が成長の大きな源となった。

 小学生時代は下校してすぐに寝るほどで、その昼寝を合わせたら1日に10時間は眠っていたという。中学に入っても7~8時間、現在も寮の消灯時間の23時から翌朝6時半の起床まで、最低でも7時間以上の睡眠を取っている。

 肩やひじに大きな故障がなく、そこについては「痛いと言ったこともないほど」と高橋監督も鈴木の体の強さに舌を巻く。

 中学時代は地元の筑西田宮ボーイズでプレー。全国大会出場こそなかったが、クセのないフォームが高橋監督の目に留まった。他校からも注目を集めていた鈴木だったが、霞ヶ浦の投手育成の実績や、ボーイズの先輩である飯村将太(現・桜美林大)から「練習メニューが充実している」との話を聞いて、入学を決めた。

 鈴木は入学後からその練習メニューに真摯に取り組んできた。たとえば、30メートルの距離を取った投球練習では「球筋やボールの伸びを意識しています」と語り、70センチの細い棒を使ったシャドーピッチングでは「(股関節の使い方を意識することで)フォームが固まり、強く腕を振ることでボールにキレが出てきます」と、練習の意図を自らの言葉で説明できる。