好投手を輩出する霞ヶ浦。今年も
「茨城の主役」を張れる逸材が登場 (2ページ目)
また得意の変化球についても「スライダーは三振を狙うときとカウントを取るときで使い分け、フォークはベースの上に落とす意識で投げています」と、理路整然と語る姿が頼もしい。
自己分析に長けているがゆえに、現状で足りないもの、求められているものもしっかり認識している。それは「チームに勝利を呼び寄せる好投」だ。
1年秋の関東大会で、鈴木はそれまで県大会の登板すらなかったが、素質や直前の練習試合での好投を買われ、2試合に先発。だが、ともに結果を残すことができず、チームはセンバツ出場まであと一歩の8強で敗退した。
さらに翌年春には犠打を試みた際、ボールとバットの間に右手人さし指を挟み負傷。夏の大会までなんとか間に合わせ4試合にリリーフ登板したが、準決勝の土浦日大戦では2番手として登板するもダメ押しの一打を浴びて敗退。昨年秋も準決勝で藤代に2対3と惜敗したが、この時は同期のライバル・福浦太陽がエースナンバーをつけており、鈴木の出番はなかった。
それだけにこの冬はこれまでのトレーニングや走り込みに加え、「力みをなくすことを重点に置き、脱力してリリースの瞬間だけ力を入れるようにしました」(鈴木)とフォームを修正。それがうまくはまり、今年の春になって多くのスカウトが視察に訪れるまで成長を遂げた。
普通の高校生であれば舞い上がってもおかしくないが、この夏、鈴木が愚直に目指すのはチームの勝利のみ。
「注目されることはありがたいですが、チームが勝つためにやるべきことをしっかりやっていきたいです」
恵まれた体格と高い理解力。そしてなによりすばらしいボールのキレを武器に、今夏の茨城の主役を目指す。
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