村田修一を育てた名監督が現代風に指導
「1年生を潰しちゃいけない」 (3ページ目)
選手たち自ら始めた練習メニューに、鈴木は当初「(やっているという)形だけだな」と冷たく突き放したが、岡崎は「だったら『形になっているな』と言わせるまで続けてやる」と継続。そんな清々しい心意気が鈴木には頼もしく映っている。
そんな男が先頭にいればチームはまとまる。春は、台湾からの留学生である身長187cmのスラッガー・張為瀚(ジャン・ウェイハン)や複数の投手が故障するなか、4強に進出した。「まだ真の4強の力はない」と鈴木は言うが、「一致団結している。そういう面で言えば85点はつけられる」と評している。
「まずは常に4強にいける力をつけたい。そこから先は運ですから」
甲子園がすべてではないと思うからこその目標設定でもある。それでも、いまだ衰えぬ情熱と卓越した理論やマネジメントによって育まれた選手たちが、甲子園の土を踏む日はそう遠くはないかもしれない。そんな予感がグラウンドには満ちていた。
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