2年生投手に実力派がずらり。スカウトの視線は早くも101回大会 (2ページ目)
開幕試合に勝利した星稜の2年生エース・奥川恭伸(やすのぶ)を見るたびに思うのは「本当はもっと身長が高いのではないか」ということだ。甲子園出場校の名鑑によると、身長は183センチとなっているのだが、マウンドでの奥川の姿はそれよりも明らかに大きく見える。
奥川を大きく見せている正体は角度だ。相手打者がボールと思うような低めの球が、ベース付近で垂れずにグッと伸びてくる。この最後の伸びが、奥川を実物以上に大きく見せているのだ。150キロのストレートもすごいが、角度こそ奥川の最大の武器といえる。
奥川に続き、この夏の甲子園で150キロをマークした2年生投手が、日大三の井上広輝。昨年秋の新チームの頃は"エース"で、春のセンバツでも初戦の三重戦に先発。だがその後、右ヒジを痛めて西東京大会は登板なし。だから、2回戦の奈良大付戦で先発したことに、まず驚いた。
そんな久しぶりのマウンドで、しかも甲子園という大舞台。それでも井上は「ずっと投げてきました」みたいな日常感を漂わせながら、3イニングを1人のランナーも出さずに4奪三振。これ以上ない形で2番手の河村唯人へとつないだ。
昨年の秋と比べて、体が変わっていた。ヒジを痛めて投げられない間、きっと走り込んで足腰を鍛えたのだろう。軽く投げているように見えて、145キロ前後。まさに"快腕"である。
そしてこの夏、最も印象に残った"快腕"が羽黒の篠田怜汰だ。初戦の奈良大付戦で8回2/3を投げて12安打、4失点とほろ苦い甲子園デビューとなったが、随所に大器の片鱗をのぞかせた。
第一印象は「線が細いなぁ......」ということ。大人顔負けのたくましさを感じさせる投手が多いなか、篠田の体つきはまだ子どもっぽさを残している。表情もあどけなく、一見すると中学生に見えなくもない。
2 / 3