体育会系には見えない170cmの
ドラ1候補・東克樹はここがすごい

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 これだけの高評価を受けた今でも、まだ自信を持てずにいるのか聞くと、「今も全然ないです」と言い、こう続けた。

「プロに入ると、絶対に挫折が待っているはず。そこでどう立ち直るかですよね。元々、自信家じゃないんですけど、プロで絶対に成功するというイメージを持っていて、そうならなかったら立ち直れないと思います(笑)。だから、うまくいかないことを頭に置きながらやっていかないとダメだと思っています」

 あらためて、プロに入ってからの抱負を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「まず一軍に入って、中継ぎからかもしれないですけど、どこかで先発で投げられたらいいなと思っています」

 言葉を並べると随分と控えめなように感じるが、表情は明るい。後藤監督は東の性格について、こう語る。

「真面目ではありますけど、遊び心もある。それに僕らともしっかり会話をできますし、バランスの取れた性格です。そういうところがピッチングにも出ていて、相手を見ながら投げることができる。この先、生きていくための大きな長所になると思います」

 謙虚な150キロ左腕を指名する球団はどこなのか。運命の日は刻一刻と迫っている。

■高校野球記事の一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る