2017.10.24

体育会系には見えない170cmの
ドラ1候補・東克樹はここがすごい

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

「雑誌とかに”株が急上昇”とか書いてあったりするのですが、そんなにハードルを上げられても……って思っていますから」

“ドラフト1位確実”と見る周囲の評価に、「一番驚いているのは僕です」といった感じで、立命館大の左腕エース・東克樹(あづま・かつき)は苦笑いを浮かべた。

「大学進学を考えていたときも、立命館なら学校としてもしっかりしていて就職に困らないだろうし、試合にも出られるかなと思って決めたんです。4年後にプロなんて、頭の片隅にもありませんでした」

大学時代、ノーヒット・ノーランを2度達成した立命館大の東克樹 その男が田嶋大樹(JR東日本)と並び、今年のドラフトで投手陣の看板として注目を集めている。

 10月9日の関西大戦では11球団、40人近いスカウトがネット裏に陣取った。マメを潰して7回途中2失点で敗れたが、多くの球団がドラフト前の最終確認を終えた。

「小さいときは牛乳を飲んで、鉄棒にぶら下がったり、いろいろやりましたけど、遺伝子には勝てませんでした」

 そう語る姿は、まさにどこにでもいそうな普通の好青年。大学の体育会で野球をやっていて、ましてやドラフト1位候補だとは想像もつかない。

「今でも友だちの友だちとかには野球をやっていると思われないですし、ピッチャーとは絶対に思われないですね。大体、セカンドか外野手って言われます」

 愛工大名電高時代は、2年春・夏、3年夏と甲子園に出場。2年のときは登板がなく、3年のときも初戦で敗れている。好投手であったことは間違いないが、大学4年間でここまで成長した理由を聞くと、まず体の変化を挙げた。

「体重が高校3年のときから10キロぐらい増えて、今は77キロ。これでボールに力がついたというのはあると思います」