スカウトが電話でつぶやいた「ドラフト1位指名される12人」の名前

  • 谷上史朗●文 text by Tamigami Shiro
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 清宮幸太郎(早稲田実業)の会見が開かれた9月22日の朝、ある球団のスカウトと電話をしていた。その時点で清宮はまだ進路を発表していなかったが、そのスカウトは「まだ100%プロ志望だとは思っていません」と言った。

「U-18のワールドカップが終わり、各紙とも清宮くんの進路について書かれていましたが、大学進学と報道する新聞もあれば、プロという新聞もあった。最近の感じではおそらく"プロ"なんだと思いますが、本人が語るまで100%の確信はないですね」

この秋のドラフトで清宮幸太郎は何球団から1位指名されるのだろうかこの秋のドラフトで清宮幸太郎は何球団から1位指名されるのだろうか それほど今回の清宮の進路に対して、プロ側も信頼に足る情報は持っていなかったということだ。スカウトの不安は杞憂に終わったが、次に「ならば、清宮に何球団が競合するのか」という問題が起きてくる。

 これまでの最多指名は、1989年の野茂英雄(新日鉄堺)と1990年の小池秀郎(亜細亜大)の8球団。「その再現か......」という記事も目にするが、そのことに話を向けると、いつもは慎重な見方をするスカウトも否定はしなかった。

「清宮くんの打者としての力は、誰が見ても抜けていますからね。間違いなく本物です。ファースト以外に守れるポジションはあるのかという不安はありますが、それでもあのバッティングがあって、注目度もすごい。実力に加え、営業面でも魅力があるので、6、7球団......あるいは8球団になる可能性もないとは言えないですね」

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