2017.09.30

来季ドラフトへ「埼玉にダルビッシュ
2世がいる」情報を確かめてきた

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 埼玉栄に「ダルビッシュ2世」が入学してきた――。

 そんな噂を1年半前から耳にしていた。そして今秋、埼玉栄の試合を実際に見てみると、「ダルビッシュ2世」はいなかった。ただし、誰かと重ね合わせなくても、投球練習をたった1球見ただけで「ただ者ではない」と確信できる右腕はいた。おそらくもう一皮、もう二皮剥ければ、来秋のドラフト1位を狙えるはず。その投手の名前は「米倉貫太(よねくら・かんた)」といった。

プロも注目する埼玉栄の本格右腕・米倉貫太 スラリと伸びた長身、しなやかな腕の振り、リリース後に右腕が左脇を通り過ぎて背中まで届く力強いフィニッシュ。そのポテンシャルの高さは十分に伝わってきた。

 埼玉栄には他にも嶋田航という本格派左腕がいて、打線も渡部壮大ら強打者が並ぶ。個々の能力の高さは全国でも指折りだろう。

 だが、埼玉栄は今秋の埼玉大会準々決勝で新鋭の山村学園に2対5で敗れた。試合後、67歳のベテラン指揮官・若生正廣監督は落胆した表情で敗戦の弁を述べた。

「バッテリーも打線もランナーがいないときはいいけど、プレッシャーがかかると弱いよね......。米倉はランナーが出るとキャッチャーのパスボールが怖くて(ボールを)置きにいっちゃう。信頼関係ができてないんだな。夏にたくさん練習して、体を大きくしてパワーもついてきたけど、うまくいかないね......」

 米倉は0対2と2点ビハインドの3回からロングリリーフ登板し、7回を投げて6安打7三振1四球3失点(自責1)。まずまずの内容だったが、要所で失点を重ねてチームを勝利に導くことはできなかった。