【高校野球】この夏、秘かに注目を集める「8人の強打者」 (2ページ目)
白鴎大足利高(栃木)の大下誠一郎(3年/172センチ87キロ/右投右打)は、彼が1年の秋に出場した「明治神宮大会」で初めて見たのだが、大胆なトップの取り方と柔軟なバットコントロールは今でも強烈に印象に残っている。
普通、空振りや差し込まれるのが怖くて大きく構えられない打者は多いが、大下は懐(ふところ)が深く、構えも大きい。相手投手にしてみれば、どこに投げても捉えられそうな雰囲気を持った選手だ。実際、手首にバネでもついているかのような柔らかいバットコントロールでヘッドをしならせ、強烈な打球を放つ。昨年のセンバツで1試合4二塁打の記録をマークしたのだが、鋭いライナー性の打球が印象的だった。
だが、その後は故障もあり、この春には頭部に死球を受け、1カ月以上バッティング練習ができなかったと聞いた。後遺症が心配だが、高校球界トップクラスの"技術屋"であることだけは間違いない。
東京では、国学院久我山高の捕手・了海航(3年/180センチ90キロ/右投右打)に注目している。この選手をひと言で表現すると"怪力"。少々高めのボールでも「来たっ!」と思えば、強引に引っ叩いて大アーチにしてしまう力を秘めている。
守備でも、「ボールを潰して投げているんじゃないか」と思わせるような低く伸びる送球ができ、柔らかいミット捌きでショートバウンドの球を難なく捕球する器用さも兼ね備えている。
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